PO1st
  PO準決勝

2018年1月14日(日)/17:30試合開始/駒沢屋内球技場/観客1,609人
3
2
1
2
1
1

森岡薫:01分
滝田学:07分
 
ダニエルサカイ28分
 

 
 
18分:浦上浩生
 
39分:本田真琉虎洲

背番号
選手名
PS
先発
1
ピレスイゴール
GK
2
日根野谷建
FP
3
森谷優太
FP
7
金山友紀
FP
8
滝田学
FP
10
中井健介
FP
11
室田祐希
FP
12
小野寺優介
GK
 
18
西村祐飛
FP
20
原辰介
FP
22
ダニエルサカイ
FP
99
森岡薫
FP
 
背番号
選手名
PS
先発
2
内村俊太
FP
6
植松晃都
FP
7
小門勇太
FP
8
刈込真人
FP
10
ロドリゴ
FP
11
林田フェリペ良孝
FP
12
上原拓也
GK
 
15
鍛代元気
FP
16
横澤直樹
FP
21
浦上浩生
FP
44
本田真琉虎洲
FP
87
フィウーザ
GK

DUARIG Fリーグ2017/2018 プレーオフ準決勝
湘南ベルマーレ戦 ハイライト動画

【マッチレポート】

 2017年6月10日から始まったリーグ戦もいよいよ最終章が近づいている。2年連続のプレーオフファイナル進出へ。黄色の戦士たちの前に立ちはだかるのは、今季躍進を続け、リーグ戦3位という結果を手に入れた湘南ベルマーレ。
 湘南の魅力を挙げだせばきりがないが、特筆すべきは、リーグ3位となる総得点136の得点力だろう。エースロドリゴの個人技は圧巻。町田から移籍した本田真琉虎洲も得点を奪う為の特別な嗅覚のほかに、豊富な経験を活かし、ディフェンダーとしてもその存在感を見せつけている。









 湘南は強い。けれども、町田はもっと強い。長く苦しいリーグ戦を終え、町田が手に入れた順位は2位。それは、紛れもない実力が手に入れた結果だ。更に町田は 、過去2年の間に「プレーオフという特別な舞台」で非常に貴重な経験を積んできた。



 悲願のリーグ初優勝に向け、絶対にここで負けるわけにはいかない。
 さぁ、プレーオフファイナル進出へ。定刻17時30分、セミファイナルの幕が上がる。

「前半戦」

 リーグ2位という結果を手にれた町田は「引き分け」でもファイナルへ進出することが出来る。町田にとってのキーワードのひとつは、「常にリードしたスコア」で試合を進めていくことだ。
 岡山監督は言う。「リードしていれば、戦術の選択肢は増える」。
 今試合、その言葉通りのパフォーマンスを観客は目の当たりにすることになる。



 絶対に手に入れたい先制点は開始早々の43秒に生まれた。
「決めれば勝つ」。エース森岡が町田陣内で湘南のボールを奪うと、素早いカウンターで湘南ゴールへと向かう。



 湘南ディフェンス2人に対し、町田の攻撃人数は3人。左に森谷優太、右に室田祐希。両翼の中央でボールを持つ森岡が魅せる。まずは、森谷へのパスフェイントでロドリゴをかわすと、今度は目の前に立ちはだかる本田真琉虎洲のディフェンスをものともせず、右足を思い切り振り抜く。



 森岡の右足を離れたボールが湘南ネットの形を変える。絶対に手に入れたい先制点を奪ったのは町田だ。



【町田1−0湘南】 <43秒:森岡薫>

 更にその1分後、またも森岡が存在感を見せつける。巧みな反転から強烈な右足シュートを放つが、今度は湘南ゴレイロフィウーザが抜群の反応を見せ、左足一本でボールの軌道を変える。



 もちろん湘南も黙ってはいない。浦上浩生、ロドリゴ、内村俊太のシュートが町田ゴールへと向かうが、イゴールのファインセーブ。森谷優太の身体を張った守備等で得点を許さない。





「ひとつのボールを本気で奪い合う」という気持ちが全面に出る試合展開でゲームが進んでいく。しかし、その執念が互いの冷静さを失わせる場面も生まれてしまう。
 ひとつのプレーをめぐり、選手たちが入り乱れる。荒れ模様の展開となり、会場が騒然とする時間帯の中、貴重な追い風を手に入れたのは町田だった。



 湘南陣内左サイド、刈込真人のハイプレスを受けながらも森岡が冷静に落としたボールがダニエルサカイの足元へと向かう。



 ダニエルの前に立ちはだかる湘南選手の数は3人。常人であれば、この3人の先、ゴール前にフリーで待つ滝田学へのパスを通すことは不可能と言っても過言ではない。
 しかし、それを成功させるのがダニエルサカイだ。



 滝田が懸命に伸ばした左足が、ダニエルからのボールの軌道を変える。6分15秒、滝田のゴールがスコアボードに「2」の数字を点灯させる。2点差だ。



【町田2−0湘南】 <6分15秒:滝田学>

 勢いに乗りたい町田だったが、今度は湘南が決定機を手に入れる。
 植松晃都の放ったシュートが町田ゴールへと向かう。守護神イゴールの手は届かない。両手を突き上げ、立ち上がる湘南サポーターだったが、ポストがボールの行く手を阻む。難を逃れたかに見えた瞬間の後、ボールが向かった先はゴール前フリーで待つ内村俊太の足元だった。
 内村が合わせたシュートが再度町田ゴールへとその方向を変える。しかし、そこでゴールを許さないのがイゴールだ。倒れた状態ながらも、イゴールが左足でボールを外へと弾き出す。ビッグセーブに会場が沸く。



 その後も湘南の攻撃は続く。しかし、各選手が堅守でゴールを許さない。ひとつひとつのプレーの後にガッツポーズがつづく。



 無失点のまま前半戦を終えたい町田だったが、やはり湘南は強い。早いリスタートからボールを受けた浦上浩生が放った強烈な右足シュートが町田ネットに突き刺さってしまう。




【町田2−1湘南】 <17分03秒:浦上浩生>

 湘南の攻撃が続く。ロドリゴが放ったシュートをイゴールが防ぐが、またもやこぼれ球が向かった先は湘南小門勇太の足元。決定的な場面だったが、小門の目の前にイゴールが立ちはだかる。守護神が素晴らしいセービングで湘南に同点弾を許さない。



 ピンチの後にはチャンスがやって来る。次の決定機を手に入れたのは町田だ。
 前線からの激しいプレスでボールを奪った滝田学がフィウーザと1対1の場面を手に入れる。滝田が放ったループシュートが湘南ゴールへと向かうが、ボールは僅かにバーの上を通り過ぎていく。



前半スコア【町田2−1湘南】





「後半戦」

 後半開始早々から湘南の攻撃が続く。町田陣内でボールが動く中、選手たちの背中を押す大切な声が聴こえてくる。

「ペースカドーラ!!」「ペースカドーラ!!」「ペースカドーラ!!」

 サポーターたちの魂の応援はピッチに届いている。いや、その声はピッチの中で戦いを続けている。町田陣内に立っている人数は5人ではない。心からの応援が湘南にゴールを許さない。 









 厳しい時間帯が続く中、値千金のゴールが27分39秒に生まれる。
 小門勇太のマークを振り切り、裏のスペースへと走りこんだダニエルサカイのもとへと室田祐希からのピンポイントパスが向かう。



 倒れこみながら放ったダニエルのシュートが湘南ゴールへと吸い込まれていく。3対1。またもや2点差だ。



【町田3−1湘南】 <27分39秒:ダニエルサカイ>

 湘南がこのまま黙って引き下がるわけがない。怒涛の攻撃が続くが、全選手の堅守、サポーターの魂の応援が湘南のゴールを許さない。









 残り時間3分12秒、最低3点を奪わなければならない湘南はパワープレーを敢行する。
 滝田学、森岡薫、金山友紀、ダニエルサカイ、そしてイゴールが懸命に対応を続ける中、湘南が意地をみせる。



 両チームの応援が会場内でぶつかり合う。セミファイナルの会場にふさわしい、素晴らしい応援だ。

 ここで、試合後岡山孝介監督インタビューの中から一部を抜粋したいと思う。



「町田のサポーターも素晴らしかったのですが、湘南のサポーターの応援も素晴らしくて・・・、このような雰囲気を作って頂いたことに心から感謝しています」。

・・・・・

 砂時計の砂が落ちていく。もう残された砂は殆どない。残り時間1分36秒、「湘南が、これから3点取る」ということは、0%に限りなく近づいている。

 けれども、湘南サポーターの声は大きくなっていく一方だ。その声援に応え、湘南選手たちが魅せる。
 ロドリゴからのパスに合わせた本田真琉虎洲の左足シュートが町田ゴールに吸い込まれていく。

【町田3−2湘南】 <38分24秒:本田真琉虎洲>

・・・・・

 残り時間0秒。大きなブザー音が会場内に響き渡る。砂時計の砂は落ち切った。3対2。ファイナルへの進出権を得たのはペスカドーラ町田だ。







後半スコア【町田1−1湘南】
合計スコア【町田3−2湘南】

・・・・・

 リーグ年間2位と3位による準決勝は、フットサルの魅力の詰まった素晴らしい試合となった。試合中、あれだけ激しくぶつかり合った選手たちも、試合終了後にはお互いの健闘を称え合い、笑顔で握手をかわしている。



 サポーターたちもそうだ。湘南サポーターのもとへと向かった町田選手たちに、湘南サポーターは暖かな拍手の雨を落とし続けている。「頑張れよ!!」メガホンを片手に持つサポーターの口がそう動いている。

 町田サポーターのもとへ向かう湘南選手たちにも同様のことが起こる。昨年までは共に黄色のユニフォームを身に纏い、「日本一」を目指し、戦いを続けていた本田真琉虎洲への声援も続いた。

「ジャッピーニャ!!」「ジャッピーニャ!!」「ジャッピーニャ!!」

 本田真琉虎洲が深々と頭を下げる。試合が終われば敵も味方もない。これはスポーツの醍醐味だ。

・・・・・

 さぁ、いよいよ最終決戦が始まる。11年目のFリーグ、悲願の初優勝を手に入れよう。会場は我々のホーム、東京都だ。



「勝て! ペスカドーラ町田」

・・・・・

写真:橋本健(はしもとたけし)
記事:早川治(はやかわおさむ)
◆オフィスオサム:http://www.officeosamu.com/