第12節

2015年7月5日(日)/16:00試合開始/町田市立総合体育館/観客1,332人
3
0
0
1
3
1

滝田学:26分

原辰介:36分
滝田学:39分
 
30分:皆本晃

背番号
選手名
PS
先発
1
イゴール
GK
3
森谷優太
FP
6
本田真琉虎洲
FP
7
金山友紀
FP
8
滝田学
FP
9
横江怜
FP
12
小野寺優介
GK
 
13
中井健介
FP
14
服部慎悟
FP
16
篠崎隆樹
FP
20
原辰介
FP
25
新倉康明
FP
 
背番号
選手名
PS
先発
1
田中俊則
GK
5
皆本晃
FP
7
小檜山譲
FP
8
上福元俊哉
FP
9
宮田義人
FP
 
12
小山剛史
FP
13
渡邉知晃
FP
14
永島俊
FP
20
山田正剛
GK
 
21
柴田祐輔
FP
23
ソロカーバ
FP
25
完山徹一
FP

SuperSports XEBIO Fリーグ2015/2016 第12節
府中アスレティックF.C.戦 ハイライト動画

【マッチレポート】

ブルーのピッチに選手たちが集まってくる。ひとりが掌を天井へと向け、その上に無数の掌が重なっていく。小さな輪が出来上がった後、掛け声がピッチに跳ね返る。今日もこの小さな輪が、大きな輪へと変化する。新たなストーリーの始まりだ。



27秒、左サイドをドリブルで突破したNO3森谷優太のオープニングシュートが府中ゴールに向かうが、NO13渡邉知晃がピッチ外へと弾き出す。試合開始早々、歓声が沸き起こる幕開きとなった。



3分にも府中の攻撃を奪ったNO16篠崎隆樹からNO9横江怜、左サイドを駆け上がったNO8滝田学とパスを繋ぎ、最後は滝田がファーサイドゴール前へとフリーで走り込んだ篠崎へとパスを通すが、篠崎の左足を離れたボールは枠を捉えることが出来ない。







町田は常に前線からハイプレスをかけるのではなく、状況に応じてプレス位置を変え、府中の攻撃に対応する。
府中には経験値の高い選手が揃っている。技術、戦術、パワー、あらゆる力を持ちあわせた選手たちに対し、町田はじっくりと、そして慎重に対応を繰り返した。









プレスをかけ、技術力を低下させる。シュートを打たせない。たとえ打たれてしまったとしても、軌道に入り、ゴールへと向かわせない。フィールドプレイヤーがカバーリングに入れない時には、ゴレイロのイゴールがそれをする。





日々、岡山監督は選手に言う。「試合時間は長い。慌てなくてもチャンスは必ずやって来る。その時を見逃すな。そして、その時の為に、今行うべきことをしっかりと続けよう。」



「その時」が来る。右サイドをNO20原辰介とのワンツーで突破したNO14服部慎悟が、府中ゴレイロNO1田中俊則と1対1の場面を作り出すが、ゴール右へと外れてしまう。



前半スコア【町田0−0府中】




「後半戦」

町田のボールが動き出す。NO6本田真琉虎洲、横江、森谷、篠崎がボールを動かし府中ゴールへと向かう。






後半早々、またも「その時」がやって来る。
オフザボールの動きでフリーとなった森谷が、右サイドでゴレイロ田中と1対1の場面を制すが、バックアップに入ったNO14永島俊にクリアされてしまう。


26分、「その時」が結果に繋がった。
府中陣内左サイドで得たキックインの場面、キッカーNO7金山友紀からのボールをセンターサークル先端部分からフリーでボールへと向かった滝田学が振り抜く。彼のキックに効き足と言う言葉は無関係。そして、彼にとっては十分な射程距離だった。左足から放たれた強烈なシュートが府中ネットに突き刺さる。滝田の2試合連続先制弾がスコアボードに刻み込まれた。【町田1−0府中】





30分には府中NO5皆本晃にゴールを許してしまうが、36分、ゴレイロのNO1イゴールが得点シーンを演出する。
府中の攻撃を防いだイゴールの手元を離れたボールは彼の足元へと落ちていく。自分の後ろにいる人数を瞬時に確認した守護神が選んだ選択肢はドリブルだった。


左サイド横江怜、右サイド原辰介が大きく左右に開き、数的優位場面でのバリエーションを広げる。
イゴールがドリブルで府中ゴールへと向かう。キックフェイントで渡邉をかわしたイゴールは、丁寧に右足インサイドで右サイドの原へとボールを転がした。


原の左足がネットを揺らす。観衆が立ち上がり、大歓声が沸き起こる。黄色のタオルがぐるぐると回り、笑顔が満ち溢れた。値千金の今季初ゴールに、原が雄叫びをあげる。【町田2−1府中】







残り時間2分44秒からパワープレーを開始した府中に対し、町田は会場を埋めた全員の力で対抗する。
「ペスカドーラ!!」「ペスカドーラ!!」空気を震わす心の底からの声援が府中選手の攻撃レベルを低下させる。





そして39分、枠を外れたシュートをイゴールが素早くピッチ上へと戻し、横江へとフィードすると、横江、NO13中井健介、滝田と繋ぎ、滝田がドリブル突破で府中ゴールへと向かう。









滝田が右サイドから放ったシュートは、パワープレーのゴレイロとして入った永島に一度は弾き返されてしまうが、そのボールは中井、森谷の足を離れ、最後はまたも右サイド滝田の足元へと戻ってくる。
府中ネットにシュートが突き刺さった。【町田3−1府中】





今試合2点目の左足シュートが試合を決定づけたかに見えたが、彼らの目つきは変わらない。試合終了のホイッスルが鳴り響くまで「今行うべきこと」を続けよう。「次だ!!」キャプテンイゴールが声を張り上げる。



3対1。スコアは動くことなく、今試合最後の「その時」はやって来た。

後半スコア【町田3−1府中】
合計スコア【町田3−1府中】





金山友紀が掌を天井に向け、皆を呼ぶ。点が少しずつ集まり、綺麗な円が出来上がると、ブルーのピッチが選手たちに声を掛けた。



いざ、北の大地へ。次節はアウェイ、エスポラーダ北海道戦だ。

写真:橋本健(はしもとたけし)
記事:早川治(はやかわおさむ)
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