【マッチレポート】
今シーズンのここまでのホームゲーム戦績を振り返ってみようと思う。２７節終了時点での勝利数は「８」、引き分けが「３」。唯一の敗戦は５月２４日に行われた名古屋オーシャンズ戦での１敗のみだ。
好成績の理由は何だろう？ もちろん一言で解決出来る話ではないが、ホームゲームには、五感では感じることの出来ない何かが寄与していると思うのは私だけだろうか？
「応援する心」を持った人々が集まり、大きなパワーが生まれている。試合を積み重ねていく毎に「その力」は強くなっている。
苦しいアウェイ３連戦の締めくくりを「勝利」という最高の結果で終えた黄色の戦士たちが、今度はホーム３連戦に挑む。目標はもちろん３連勝だ。
個々のキープ力が高く、簡単にはボールを奪われない。ハイプレッシャーをかけられれば、細かくボールを動かし「狙いどころ」を作らせない。町田らしいフットサルで試合が進む。
セカンドセットに入っても流れは変わらない。町田がボールを動かしながらチャンスを窺う。対する浜松は、各選手の個人技からの展開で町田ゴールへと向かうが、イゴールを中心とした堅守でゴールを許さない。
１０分、ＮＯ７金山友紀が倒されて得たフリーキックの場面でのキッカーはＮＯ９横江怜。
第２ＰＫよりも更に遠いリスタート位置だったが、横江の狙い澄ましたシュートは、彼の右足を離れた後、浜松ゴールへと吸い込まれていった。
ホームでのゴールシーンは格別だ。場内アナウンスが響き渡り、会場のサポーターたちが手を叩く。タオルが揺れ動き、大きな黄色の波が横江へと押し寄せた。
【町田１－０浜松】<９分３０秒：ＮＯ９：横江怜>
勢いに乗る町田は、ＮＯ４後呂康人、金山がシュートを放つが、浜松選手たちも華麗な個人技から決定的場面を作り出し応戦。互いに譲らない展開で前半戦が終了した。
前半スコア【町田１－０浜松】
「後半戦」
追加点を奪いたい町田だったが、浜松が決定機を作り出す。左サイドで裏を取ったＮＯ１５野嶋倫にスルーパスが通る。野嶋は右サイドゴール前へとフリーで走り込んだＮＯ１６須藤慎一へのパスからの得点を狙うが、守護神ＮＯ１イゴールが死守。ゴールを許さない。
今度は町田が決定機を作り出す。左サイド金山からのボールをゴール前フリーで受けたＮＯ５甲斐修侍が強烈な左足シュートを放つが、バーに弾き出されてしまう。
町田が決定機を作れば、浜松も作る。
町田ボールを奪ったＮＯ１０剣持貴充がカウンターからイゴールとの１対１の場面を作り出すが、このシーンでもイゴールがゴールを許さない。何とか難を逃れたかに見えたが、２７分、町田ネットが揺れてしまう。
町田陣内右サイドで与えてしまったフリーキックの場面、キッカー須藤からのパスがファーサイドの野嶋へと繋がってしまう。フリーでパスを受けた野嶋は、冷静にボールを町田ゴール内へと流し込んだ。
【町田１－１浜松】<２６分０９秒：ＮＯ１５：野嶋倫>
双方決定的場面を何度も作る試合内容だった。金山が１対１の場面を作れば、ゴレイロＮＯ２１岩崎雄大が防ぐ。
町田ゴール前へと走り込んだ野嶋が追加点を狙えば、イゴールが立ちはだかる。
同点のまま時間が過ぎていく中、３６分４２秒に大きな分岐点がやって来る。カウンターから浜松ゴールへと向かう金山が倒された後、レフェリーはＮＯ９松浦勇武にイエローカードを呈示。その直後、会場がどよめく。レフェリーのポケットからレッドカードが追加呈示されたからだ。
レッドカードの理由は「２回目の警告」。浜松はフィールドプレイヤー３人＋ゴレイロの４人で「２分間耐え抜く」か、「失点するまで」、追加補充は認められない状況に追い込まれる。
ボールを動かしながらシュートチャンスを窺う町田選手たち。金山、甲斐、横江、そしてＮＯ１６篠崎隆樹がボールを回すが、得点シーンは訪れずに時間が過ぎていった。
数的優位状況の残り時間は「１分１３秒」。岡山孝介監督はタイムアウトを申請し、この決定的時間帯での得点奪取の為に選手たちに指示を与えた。
数的優位時間残り３２秒、歓喜の瞬間はやって来た。浜松ゴール前で篠崎と横江がボールを動かす。あと半歩、空間を作り出すことが出来れば、ボールはネットに突き刺さる。その瞬間の為に、彼らはパスを繰り返した。
「３８分１０秒」、豪快に振り抜かれた篠崎の左足を離れたボールが、浜松ネットに突き刺さる。クールな篠崎がエンブレムを掴み、大声で吠えた後、会場の声援に応える。２対１だ。
【町田２－１浜松】<３８分１０秒：ＮＯ１６：篠崎隆樹>
失点直後、浜松はパワープレーを敢行する。巧みな足技を持つ浜松選手たちがチャンスを窺うが、黄色の戦士たちが粘り強く対応を繰り返す。
残り時間が無くなっていく。だが、得点差は僅かに「１」。最後の踏ん張りどころで選手たちの背中を押したのは、やはり会場に集まったサポーターたちのパワーだ。
声援が、手拍子が、ドラム音が空気を揺らす。それは選手たちに、最後まで守り抜く力を与え続けた。
前節に引き続き、苦しみながらも１点差での勝利を手に入れた町田。これでチームは２連勝、ホームゲームでの勝利数は「９」となった。
ホーム開催での試合数は残り２試合。連勝記録を伸ばし、ホーム勝利数を「１１」とした時、チームには更なる力が宿るはずだ。
「勝て！ ペスカドーラ町田！」
後半スコア【町田１－１浜松】
合計スコア【町田２－１浜松】
写真：橋本健（はしもとたけし）
＊使用している写真は、第２７節のものではございません。
記事：早川治（はやかわおさむ）
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