【マッチレポート】
2016年3月11日金曜日、国立代々木競技場第一体育館内に第21回全日本フットサル選手権決勝ラウンドのキックオフを告げる笛が鳴り響いた。Fリーグレギュラーシーズンを第2位で終えた町田は1次ラウンドを免除された為、今試合が今大会初試合となる。対戦相手は1次ラウンド、グループAを3連勝の1位通過で決勝ラウンドへと駒を進めたフウガドールすみだ。
プレーオフ4位、5位決定戦では町田に勝利を収め、第4位という成績を勝ち取ったすみだは、厳しい1次ラウンドという試練を乗り越え、更なる成長を遂げているに違いない。
プレーオフ終了後、公式戦の初対戦相手がまたも「すみだ」ということも、町田を更に強くする為に必要な試練なのだろうか? プレーオフ同様、ノックアウト形式の今季最終章の幕が開く。
「前半戦」
フットサルらしいスリリングな試合展開の前半戦となった。両チームが積極的にゴールへと向かう。それを各選手の粘り強い守備が阻止する。そして、ゴレイロのファインセーブからスピーディーなカウンターが生まれ、決定的な場面が作り出された。
それで終わりではない。更にその決定的な場面からカウンターが生まれ、一連の流れが幾度も繰り返されるのだ。
一瞬も目の離せない素晴らしい試合が繰り広げられた。
両チームはセットを変え、この厳しい展開を自チームの流れへと引き寄せようと努力する。だが、双方の激しいプレッシャーがなかなかリズムを作らせない。前半戦はスコアレスのまま終了した。
前半スコア【すみだ0−0町田】
「後半戦」
プレーオフ後、岡山監督にインタビューをした時の回答が頭に浮かぶ。以下は監督が自身のブログでも公開していたコメントだ。
「以前ペップ・グラディオラが語っていた言葉があります。『チームというのはガラスの水差しのようにもろく、一本の細い糸だけで支えられているだけだ』という言葉です。」
上記は他の例で使用していたものだが、この試合でも重なるものがあったように思えたのは私だけだろうか?
後半開始早々の21分、すみだ陣内右サイドでボールを奪ったNO13中井健介がゴール前中央へと走りこんだNO7金山友紀へとパス。金山はゴレイロの位置を冷戦に確認した後、ゴールネットを揺らすことに成功した。
【すみだ0−1町田】<21分:NO7:金山友紀>
この失点がすみだの素晴らしい前半のリズムを崩した。
更に追い打ちが決まる。22分には、すみだ陣内へと持ち込んだNO8滝田学からのボールを受けた中井がネットの形を変える。
【すみだ0−2町田】<22分:NO13:中井健介>
この短時間での2点が試合の流れを変えた。すみだは前半戦の様に流れるような攻撃が出来なくなる。
だが、経験豊富なNO14西谷良介やNO7稲葉洸太郎が華麗な個人技で少しずつ流れを変えていくと、29分にはNO8太見寿人が追撃弾を撃ち込んだ。
【すみだ1−2町田】<29分:NO8:太見寿人>
金曜日午後5時からのキックオフにも関わらず、代々木へと集結したすみだ大応援のボルテージが上がる。残り時間はまだ10分もある。町田にとって厳しい展開となるかと思った矢先、NO1イゴールと金山が魅せる。
30分、すみだのシュートをキャッチしたイゴールが素早くすみだゴール前へと走りこんだ金山へとスローする。的確な軌道で金山の頭へと向かったボールに合わせたヘディングシュートがすみだゴールへと吸い込まれた。非常に大きな意味を持つ町田の追加点がスコアボードに刻み込まれる。
【すみだ1−3町田】<30分:NO7:金山友紀>
残り時間3分、すみだはパワープレーを敢行するが、町田の集中力は途切れることなく試合終了のブザーが鳴り響いた。
後半スコア【すみだ1−3町田】
合計スコア【すみだ1−3町田】
・・・・・
苦しみながらも準決勝へと駒を進めた町田の次なる対戦相手は府中アスレティックFC。
不思議なものだ。プレーオフ2試合目で戦った相手がフウガドールすみだ。そしてプレーオフ初戦で対戦した相手は府中アスレティックFC。ひとつひとつ過去の対戦相手との再戦を繰り返している。
「プレーオフの悔しさは全日本選手権で晴らす!」
キャッチフレーズの条件は完璧に揃った。さぁ、「誰が強いのか、けりをつけようぜ」
決勝進出への切符をかけた戦いは、2016年3月12日(土)午後2時キックオフだ。「勝て! ペスカドーラ町田!」
写真:橋本健(はしもとたけし)
記事:早川治(はやかわおさむ)
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