【マッチレポート】
「前半戦」
大分のキックオフと同時に中井健介と滝田学が激しいプレスをかけ、ボール奪取に成功する。気迫十分な立ち上がりとなった。
5分、ゴレイロのボール保持時間4秒ルールから得たフリーキックの場面、町田はフリーキックセットへと切り替え、得点を狙う。
篠崎隆樹が巧みなフェイントを入れ、大分選手のタイミングをずらすと、最後は横江怜が狙いすました右足シュートで大分ネットを揺らすことに成功する。【大分0−1町田】 <4分59秒:横江怜>
ボールを動かし追加点を狙う町田だったが、今度は大分に自陣内で与えてしまったフリーキックから得点を奪われてしまう。【大分1−1町田】 <9分32秒:仁部屋和弘>
勢いに乗りたい大分だったが、失点直後に日根野谷建が魅せる。室田祐希が受けたファールで大分選手の動きが止まる。レフェリーは試合の一時停止を指示してはいない。
ゴレイロの位置を確認し、素早いリスタートを開始した日根野谷建の選んだ選択肢は直接シュート。彼の右足を離れたボールが大分ゴールへと向かっていく。【大分1−2町田】 <9分51秒:日根野谷建>
相手の準備が整わないうちに仕掛ける。誰もが分かっていることだが、実行出来るプレイヤーは多くない。彼の抜群の判断力に会場が静まり返る。何が起こったのか把握できない雰囲気が漂う中、大きな声で日根野谷が吠える。失点直後の貴重な追加点だ。
更に13分、滝田学からのコーナーキックにオフザボールの動きでマークを外した原辰介が右足で合わせ、3点目をスコアボードに点灯させる。【大分1−3町田】 <12分02秒:原辰介>
ホーム大分ももちろん黙ってはいない。ゴレイロ岩永汰紀から合計7本のパスを繋ぎ、最後は仁部屋和弘が町田ネットの形を変える。【大分2−3町田】 <14分38秒:仁部屋和弘>
前半スコア【大分2−3町田】
「後半戦」
双方譲らない展開が続いた。しかし、少しずつホームの声援を受ける大分が攻撃を続ける場面が増えていく。そして35分、大分サポーターが同点劇に沸く瞬間が現実となってしまう。町田陣内ペナルティー先端で得たフリーキックから、ディドゥダが白方秀和へとパスを出す。そして、またもフィニッシャーは背番号10だ。
常に日本代表に招集されるスター選手、名実ともに日本を代表するフットサルプレイヤー、仁部屋和弘がハットトリックを達成する。【大分3−3町田】 <34分56秒:仁部屋和弘>
残り時間5分、大分が勢いに乗る。「バサジィ大分!!」「バサジィ大分!!」サポーターの声援を受け、仁部屋が、田辺睦が、ディドゥダが町田ゴールへと襲い掛かってくる。
我慢の時間が続いた。しかし、今試合最後の得点シーンを手に入れたのは町田。
町田陣内で篠崎隆樹が大分のボールを奪う。篠崎は室田祐希にボールを預けると、右サイドを駆け上がっていく。ここで抜群の仕事をするのが室田だ。生粋のドリブラーが大分選手たちのプレスをひらりひらりとかわしていく。
室田祐希選手にインタービューを実施した時の彼の言葉が頭に浮かぶ。
「ドリブルで仕掛ければ、もちろんリスクを伴います。ですが、僕はドリブルを行う場所をわきまえています。そして、僕のドリブルで局面を打開出来れば、大きなチャンスが生まれます。」
充分に大分選手をひきつけた天才ドリブラーからのボールを受けた篠崎は、ゴレイロとの1対1の場面を冷静に制す。天才型レフティーらしい技ありのシュートが、ゆっくりと大分ゴールに吸い込まれていった。【大分3−4町田】 <39分27秒:篠崎隆樹>
後半スコア【大分1−1町田】
合計スコア【大分3−4町田】
・・・・・
第23節、ヴォスクオーレ仙台戦での勝利を収め、アウェイでの2連勝を手に入れた町田。次節は名古屋オーシャンズを迎えてのホームゲームとなる。
名古屋は強い。だが、町田も強い。それを証明する日、それが「2016年12月11日」だ。
「勝て! ペスカドーラ町田」
・・・・・ 第22節を終えた時点での順位等
順位:12チーム中4位
勝ち点:40 − 首位シュライカー大阪(以下大阪):55
*大阪の消化試合数は21試合
勝敗数:13勝1分8敗 − 大阪:18勝1分2敗
総得点数:74点 − 大阪:121点
総失点数:63点 − 大阪:57点
得失点差:+11 − 大阪:+64
写真:橋本健(はしもとたけし)
記事:早川治(はやかわおさむ)
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