【マッチレポート】
「前半戦」
町田、名古屋共に相手陣内高い位置からハイプレッシャーをかけ合う見応えのある序盤戦となった。
攻撃に関しても双方譲らない。名古屋がボールを動かしながら町田ゴールへと向かえば、町田も本田真琉虎洲が宮崎貴史とのコンビプレーからシュートを放つ。
強敵であればあるほど、試合を優位に進めていく為に必要なものは、常にスコアで先を行く事だ。とは言え、名古屋相手に先制点を奪うのは容易ではない。今季の対戦では、2試合とも先制点を奪ったのは名古屋だった。しかし、今節では町田が結果を手に入れる。
絶対にほしい先制点が現実となるシーンは、名古屋陣内左サイドで手に入れたキックインの場面から始まった。
滝田学からのボールがフェイクの動きを入れた森岡薫の足元へと向かっていく。今回のシーンでもそうだが、森岡のプレーは実に奥が深い。まず、フェイクの動きでマークについていたセルジーニョの重心を動かす。そして巧みなファーストタッチでボールを動かし、彼のスリップを誘うと、次はキックフェイントで完全に相手を抜き去った。
突破に成功した森岡が右足を振り抜く。彼の右足を離れたボールは、相手ディフェンスに当たり軌道を変え、名古屋ゴールへと吸い込まれていった。この突然の軌道変更には、さすがの日本代表ゴレイロ関口優志でも対応することが出来ない。【町田1−0名古屋】 <8分19秒:森岡薫>
先制点を奪い、ペースを掴むことに成功した町田がチャンスを作っていく。ディフェンス面でも粘り強い対応で名古屋のミスを誘い、ボール奪取に成功する場面が増えていった。
しかし、ネットを揺らしたのは名古屋だった。セルジーニョのコーナーキックがオウンゴールを誘い、試合は振り出しへと戻ってしまう。【町田1−1名古屋】 <15分05秒:オウンゴール>
前半スコア【町田1−1名古屋】
「後半戦」
スコアは同点へと戻ってしまったが、試合のリズムが変わることはなかった。町田らしいパス回しからチャンスを作り、名古屋ゴールへと向かっていくことは出来ている。
ボール保持時間も長い。前線からのハイプレッシャーによって相手のミスを誘うことも出来ていた。
しかし、ゴールという結果を手に入れたのは名古屋。セルジーニョの華麗なドリブル突破から、最後は安藤良平にネットの形を変えられてしまう。【町田1−2名古屋】 <27分58秒:安藤良平>
1点ビハインドの状況から、町田は怪我により戦線を離脱していたイゴールを投入。逆転弾で勢いづいた名古屋の激しいプレッシングを受けながらも、ボールを動かしながら徐々に戦況を変えていく。
時間が無くなっていく中、岡山監督は名古屋陣内で得たコーナーキックの場面からパワープレーを開始する。残り時間3分、リスタートの始まりは横江の右足だ。
横江、篠崎、森岡、滝田、本田が細かくポジションを変えながらボールを動かしていく。
名古屋の激しいプレスを受けながらもボールは移動を続けた。横江からの1本目のパス。篠崎から2本目のパス。滝田、森岡、また滝田。
各選手の足元をボールが移動した回数は実に29回。横江からゴール前フリーとなった本田へのパスが29本目のパスだ。
長身酒井ラファエル良男の股の間を通ったボールが本田へと向かっていく。本田が右足でゴールへと通した30本目のパスが、スコアボードに「2」の数字を点灯させる。待ちに待った同点弾だ。
【町田2−2名古屋】 <37分19秒:本田真琉虎洲>
名古屋は失点直後からパワープレーを敢行。残り時間2分41秒、苦しい時間帯が続いたが、そのままスコアは動くことなく試合終了のブザーが鳴り響いた。
後半スコア【町田1−1名古屋】
合計スコア【町田2−2名古屋】
・・・・・
今シーズンリーグ戦での名古屋戦結果
1戦目 第3節 会場テバオーシャンアリーナ 名古屋5−3町田
町田得点者【横江怜2得点、滝田学】
2戦目 第12節 会場テバオーシャンアリーナ 名古屋3−2町田
町田得点者【森岡薫2得点】
3戦目 第24節 会場町田市立総合体育館 町田2−2名古屋
町田得点者【森岡薫、本田真琉虎洲】
・・・・・ 第24節を終えた時点での順位等
順位:12チーム中4位
勝ち点:44 − 首位シュライカー大阪(以下大阪):59
*大阪の消化試合数は23試合
勝敗数:14勝2分8敗 − 大阪:19勝2分2敗
総得点数:79点 − 大阪:132点
総失点数:66点 − 大阪:61点
得失点差:+13 − 大阪:+71
写真:橋本健(はしもとたけし)
記事:早川治(はやかわおさむ)
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