【マッチレポート】
「前半戦」
本田真琉虎洲、横江怜がシュートを放てば、稲田瑞穂、鈴村拓也が打ち返す。
「祐希、前!!」「祐希! 前!!」ベンチからも大きな指示の声が会場に響き渡る。互いにハイプレッシャーをかけ合い、ボールを奪うことに成功すれば、両チームの選手がグッドパフォーマンスを披露する前半戦となった。
神戸には素晴らしい選手がたくさんいる。その中でも多くのチャンスメイクを成功させたのは、岡崎チアゴと原田浩平だ。岡崎の巧みなドリブル突破から原田がゴール前でボールを受け、チャンスを作り出していく。
町田は決定的なシーンを作られてしまうが、日根野谷建の粘り強いディフェンス、小野寺優介のファインセーブでゴールを許さずに前半戦を終えた。
前半スコア【町田0−0神戸】
「後半戦」
後半早々町田は決定機を作り出すことに成功する。室田祐希が得意のドリブル突破から森岡薫とのコンビプレーでゴールを目指すが、神戸の堅守により結果を得ることが出来ない。
室田のドリブルは止まらない。今後は左サイドを突破してから横江怜へと繋ぎ、決定機を作り出すが、横江のシュートはクロスバーに弾き出されてしまう。
チャンスは作り出すものの結果へと繋がらない町田だったが、室田3度目のドリブル突破が好位置でのフリーキックを手に入れる。神戸陣内第2PK付近、ドリブル突破を試みた室田が倒されて得たフリーキックの場面でのキッカーは森岡薫。
セットプレーセットがピッチ内へと足を踏み入れる。実に久しぶりに見る顔ぶれだ。怪我による長期戦線離脱を余儀なくされたキャプテンの金山友紀は、巧みなオフでの動きから「一瞬だけ空くスペース」を見分け、ゴールへの新たな道筋を作り出すことが出来るプレイヤーだ。グラウンドの右側にポジションを取ったレフティーテクニシャン篠崎隆樹は、パサーからのパスに最短距離で合わせ、強烈なシュートを放つことが出来る。そして左右変わらぬキック力を持つ滝田学は、ボールの移動中にあらゆるバリエーションを選択することの出来る経験豊富な日本代表選手だ。最後はキッカーの森岡薫。言わずと知れた日本のエースの攻撃バリエーションは数えきれない。
ゴール前に集まった金山、滝田、篠崎が左右に広がり中央にシュートコースを作り出す。しかし、それは非常に小さな隙間だ。
その一筋の道にシュートを通す。それが出来る選手はFリーグ内に何人もいないだろう。
森岡の右足を離れたボールが神戸ネットの形を変える。町田の先制点にホームスタジアムは歓喜に包まれた。黄色のタオルがいたる所でぐるぐると回り始める。ホームゲームならでは光景だ。【町田1−0神戸】 <24分18秒:森岡薫>
長らくスコアレスだった試合が動きを見せた。しかし、その後は前半戦同様双方譲らない展開が続く。
残り時間4分、なかなか同点弾を奪えない神戸は、稲田瑞穂をゴレイロにパワープレーを選択するが、今試合2回目のゴールシーンを手に入れたのは町田。
神戸のパワープレー中のパス回しをインターセプトで奪った横江怜がパワープレー返しを成功させた。
【町田2−0神戸】 <36分54秒:横江怜>
貴重な追加点を奪い、神戸の勢いを止めたい町田だったが、残り時間2分27秒、サイドでフリーとなった原田からの強烈なパスに森洸がゴール前で合わせ、1点差へと詰め寄られてしまう。【町田2−1神戸】 <37分33秒:森洸>
失点直後、岡山監督はタイムアウトを申請。「残り時間を戦う為の戦術」と「必要な酸素」を手に入れた町田選手たちがピッチへと戻っていく。
パワープレーに耐える為、町田サポーターたちが大きな声で選手たちの背中を押す。「ペースカドーラ!!」「ペースカドーラ!!」会場にペスカドーラコールが響き続ける中、神戸も最後まで素晴らしいパフォーマンスを見せる。
サイドでフリーとなった原田浩平がゴール前へと走りこむ相井忍へとパスを出す。1失点目と同じパターンだ。
完璧なパスのタイミング、そして絶妙な角度のパスだったが、今度は金山友紀が厳しいマーキングで相井の技術力を低下させることに成功する。
ゴールの瞬間を確信した原田が頭を抱え込む。ボールはゴールの枠を捉えることは出来ずにピッチの外へと向かっていった。
後半スコア【町田2−1神戸】
合計スコア【町田2−1神戸】
・・・・・ 今シーズンリーグ戦での神戸戦結果
1戦目 第1節 会場:国立代々木競技場第一体育館 町田3−4神戸
町田得点者【金山友紀、横江怜、篠崎隆樹】
2戦目 第14節 会場:グリーンアリーナ神戸 神戸1−5町田
町田得点者【金山友紀4得点、横江怜】
3戦目 第25節 会場:町田市立総合体育館 町田2−1神戸
町田得点者【森岡薫、横江怜】
・・・・・ 第25節を終えた時点での順位等
順位:12チーム中4位
勝ち点:47 − 首位シュライカー大阪(以下大阪):62
*大阪の消化試合数は24試合
勝敗数:15勝2分8敗 − 大阪:20勝2分2敗
総得点数:81点 − 大阪:138点
総失点数:67点 − 大阪:66点
得失点差:+14 − 大阪:+72
写真:橋本健(はしもとたけし)
記事:早川治(はやかわおさむ)
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