【マッチレポート】
第2節の対戦相手は今シーズンからホームアリーナを立川立飛へと移し、名称新たにシーズンに挑む「立川・府中アスレティックFC」。昨シーズンはリーグ6位とプレーオフ進出チームとはならなかったものの、各選手のポテンシャルは高く、リーグ戦、そしてプレーオフでは、常に町田の行く手を阻み続ける強敵だ。
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岡山監督試合後のコメントの中身を短く書こう。
岡山:「立川・府中アスレティックFCは強い」。
「前半戦」
立川・府中にとっては今シーズン初めてのホームゲーム。しかも新アリーナでの試合ともなれば選手のモチベーションが高くならないわけがない。
序盤から激しいプレッシャーをかけ、積極的にゴールへと向かうシーンに観客の声援と拍手が響き渡る。
しかし、この試合でも小野寺優介はファインセーブを連発。ゴールを許さずに試合が進んでいく。
今試合初めてネットが揺れたのは9分39秒。町田らしいトリッキーなセットプレーからの得点シーンとなった。左サイドで得たコーナーキックのキッカー森岡薫からのボールをアウグストが巧みなパスで後ろから走りこむクレパウジ・ヴィニシウスへと受け渡す。
完全にフリーとなったヴィニシウスがコンパクトなスイングから放った左足シュートが立川・府中ゴールに突き刺さる。今シーズン、早くも3点目をマークしたストライカーのもとへと満面の笑みを浮かべたチームメイトたちが駆け寄った。
【町田1−0立川・府中】 <9分39秒:クレパウジ ヴィニシウス>
ゴールシーンから僅か1分後、今度はアウグストが魅せる。激しいプレッシャーをかけられながらも森谷優太とのコンビプレーで包囲網を突破したNO29が左足を振り抜く。
アウグストの今季リーグ初得点がスコアボードに「2」の数字を点灯させた。
【町田2−0立川・府中】 <10分46秒:アウグスト>
前半スコア【町田2−0立川・府中】
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もう一度岡山監督の試合後コメントを書こう。「立川・府中は強い」。
このコメントはリップサービスではない。立川・府中は強いのだ。各選手が1対1に強い。フィジカル、テクニック、決定力、守備力。様々な個性を持った素晴らしい選手たちがいる「立川・府中」がこのまま引き下がる訳がない。
次は試合後森岡薫選手のコメントを書こう。
森岡:「前半は完璧でしたし、このまま逃げ切れるかなと思ったら・・・。やっぱりそうは上手くいかなかったですね。相手はチームとしても強いですし、1対1でも強い」。
森岡:「苦しみながらですが・・・」
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この先のコメントを書くのはやめておこう。
「後半戦」
今試合のゴールシーンは合計8回。観客たちは後半だけで6回もの得点シーンを見ることになる。それはフットサルの面白さであり、怖さでもある。
立川・府中のゴールが続く。昨シーズン、45回ものゴールシーンを生み出したリーグ得点王渡邉知晃のゴールを皮切りに、完山徹一、内田隼太が続き、試合をひっくり返すとホームアリーナのヴォルテージは最高潮に達した。
【町田2−1立川・府中】 <28分00秒:渡邉 智晃>
【町田2−2立川・府中】 <29分05秒:完山 徹一>
【町田2−3立川・府中】 <32分57秒:内田 隼太>
勢いそのままに追加点を奪いリードを広げたい立川・府中だったが、次のゴールシーンを手に入れたのは町田。残り時間4分、パワープレーを選択した町田がすぐさま結果を手に入れる。
ディフェンス2人を引き寄せた森岡からのボールを中央で受けたアウグストの左足を離れたボールがネットへと吸い込まれていく。
【町田3−3立川・府中】 <35分32秒:アウグスト>
ホームアリーナ初試合、是が非でも初勝利を手に入れたい立川・府中はパワープレーを開始。苦しい状況が続く中、ボールがピッチ外へと向かう。町田攻撃権での試合再開だ。
素早くパワープレー返しを実施しようと森岡がダッシュで立川・府中ゴールへと向かう中、大きなブザー音が鳴り響いた。
残り時間1分13秒。選手たちの足を止めたブザー音は、岡山孝介監督が申請したタイムアウトの受理音だった。
タイムアウト後、町田はパワープレーで立川・府中ゴールへと向かう。
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残り時間が1分を切る。小数点以下の数字たちが慌ただしく電光掲示板の表示を変えていく中、町田の3点目が生まれた流れと同じ形がピッチ上に浮かび上がる。左サイドに位置する室田祐希から左最前線の森岡へとパスが通る。完璧なタイミングで中央に走りこんでいるのはアウグストだ。
しかし今回、森岡は中央へのパスではなく、キックフェイントから自身での突破を試みる。アウグストへのパスを警戒した完山の左足は、森岡とアウグストを結んだ直線上へと向かっている。完璧にディフェンスを振り切った森岡のプレーは、必死で行く手を阻もうとした完山のファウルを誘発した。
残り時間15秒、ペナルティー内でのハンドで得たPKを森岡が決める。決定的なゴールシーンに今度は町田サポーターたちのヴォルテージが最高潮へと達した。
【町田4−3立川・府中】 <39分45秒:森岡 薫(PK)>
15秒あれば充分1点取ることは可能だ。立川・府中が同点弾を目指して町田ゴールへ向かうが、今試合最後のゴールを決めたのは中井健介。森岡からのボールをゴール目の前で受けた中井のブザービートが今試合最後の得点シーンとなった。
【町田5−3立川・府中】 <39分59秒:中井 健介>
後半スコア【町田3−3立川・府中】
合計スコア【町田5−3立川・府中】
新加入のヴィニシウス、アウグスト、そしてエース森岡薫という攻撃陣がしっかりと得点を奪い、開幕2連勝という結果を手に入れた町田。「決定力不足」というレッテルを剥がし、リーグ初優勝という悲願を達成する為に必要なこと、それは結果を出し続ける以外にない。
「勝て! ペスカドーラ町田」
・・・・・ 第2節を終えた時点での順位等
順位:12チーム中3位
勝ち点:6 − 首位名古屋オーシャンズ(以下名古屋):6
勝敗数:2勝0分0敗 − 名古屋2勝0分0敗
総得点数:8点 − 名古屋:15点
総失点数:3点 − 名古屋:1点
得失点差:+5 − 名古屋:+14
写真:橋本健(はしもとたけし)
記事:早川治(はやかわおさむ)
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