【マッチレポート】

今シーズン同月内では最多となるホームゲーム４連戦、第３戦の対戦相手はバサジィ大分。昨シーズンリーグ戦順位第２位の強敵だ。
前節では王者名古屋を相手に苦い敗戦となった町田だが、会場には前を向き、更なる成長を約束する選手たちの精悍な顔つきが揃った。
それは選手に限ったことではない。「勝利を目指し走れ！！」サポーターは力強くドラムを叩き、声を合わせ、選手たちを鼓舞する。
定刻１９時００分、第５節のキックオフを告げるホイッスルが鳴り響いた。







前線からプレッシャーをかけ、ボールを奪いに行く町田。前節同様ＮＯ１６篠崎隆樹の気持ちの入った熱いプレーが光る。しかし日本代表でも活躍するバサジィ大分ＮＯ１０仁部屋が魅せる。ＮＯ１４白方へのスルーパス、自身の突破から強烈なシュート、ゴール前への飛び込み、様々な手法で町田ゴールへと襲い掛かる。





町田も負けてはいない。ＮＯ１イゴールが自身のドリブルからチャンスを作り出すと、今度はＮＯ２日根野谷が右サイドから強烈なシュートを放つ。中央からはＮＯ１０ボラ、ＮＯ９横江のシュートが大分ゴールへと向かうが、得点を奪うには至らない。

町田がチャンスを作れば、今度は大分がチャンスを作る。右サイドを突破した大分ＮＯ１８松山が強烈なシュートを放つが、守護神イゴールが弾き返す。攻守の切り替えが速い、フットサルらしい試合展開に会場のボルテージが上がる。

前半スコア【町田０−０大分】

「後半戦」

後半に入っても互いに一歩も譲らない展開が続く。左サイドで得たフリーキックから横江が強烈なシュートを放てば、大分ゴレイロＮＯ２青柳がファインセーブでゴールを許さない。大分ＮＯ１５森村がループシュートを狙えば、ＮＯ８滝田は弾丸シュートを放つ。

２８分、右サイドを突破したＮＯ６本田真琉虎洲がファーサイドへ走り込んだＮＯ３森谷にパスを入れるが、これも僅かに合わず結果が生まれない。すると、今度は仁部屋のシュートが町田ゴールへと向かうが、ポストがゴールを許さない。

両チーム多くの決定機を作り出した。しかし残り時間４分、スコアボードには未だに「０」の文字が光り続ける。一瞬たりとも気の抜けない試合展開に選手たちの酸素が足りなくなる。無酸素運動が続く中、選手たちは歯を食いしばり走り続ける。根競べだ。

ちょっとしたミスが命取りになる。その場面を見逃さなかったのはＮＯ６本田だった。相手ボールを奪った本田の右足を離れたボールが大分ゴールへと向かう。ここまで再三再四ゴール前に立ちはだかった名手青柳の手は届かない。しかし今度は大分ポストがシュートを弾き返してしまう。

残り時間４５秒、ファウルを積み重ねていった大分が第２ＰＫを献上する。キッカーは町田が誇るＰＫ職人横江怜。彼のシュートがネットを揺らす瞬間を願う観衆たちは息をのむ。

しかしこの場面でも青柳が立ちはだかった。横江のシュートに反応し、軌道を僅かに変える。ボールの勢いは衰えなかったが、ゴールへと向かったボールはまたもポストに弾き返されてしまう。

残り時間１秒、「ピンチの後にチャンスがやって来る」という試合内容を象徴するようなラストシーンがやって来た。町田はゴール前でフリーキックを与えてしまう。町田にとって「勝利」の２文字はもう手に入れることは出来ない。しかし「敗戦」の２文字が記録に残るシチュエーションは整った。
だが町田選手の集中は途切れない。このシーンでもネットが揺れることはなかった。



最後の最後まで気の抜けない試合の結果はスコアレスのドロー。ホーム４連戦中３試合を終えた時点での戦績は１勝１分け１敗。選手たちは連日開催となる明日の北海道戦での勝利をサポーターに約束し、ピッチを後にした。

後半スコア【町田０−０大分】
合計スコア【町田０−０大分】

写真：橋本健（はしもとたけし）
記事：早川治（はやかわおさむ）
◆オフィスオサム：http://www.officeosamu.com/

※今シーズンはホームゲームを中心にマッチレポートを掲載していきます。