【マッチレポート】
２０１５年５月、ホームゲーム４連戦最後の対戦相手は昨年のリーグ戦順位第４位、プレーオフを終えてのシーズン最終順位でも第４位という結果を残した北の雄エスポラーダ北海道。
前節大分戦での負傷で戦線離脱を余儀なくされたＮＯ１０ボラ不在のニュースは町田にとって大きな痛手になるかと思われたが、チームはしっかりと新たな戦力を成長させていた。今試合、初めてFリーグのピッチに立つ選手がメンバー表にその名を連ねる。「ＮＯ１４服部慎悟」静岡学園高校を卒業した平成３年生まれ、２３歳のテクニシャンだ。一見クールに見える彼のアピールポイントは「闘志」。
初舞台とは思えない程の落ち着いたプレーを観衆は目の当たりにする。
北海道ＮＯ２高山がシュートを放てば、町田ＮＯ６本田も放つ。序盤から互いの積極的な攻撃が目立つ展開となった。
この試合でも町田は前からプレスをかけていく。前線からボールを奪いにいけばライン間や裏のスペースが空くものだ。北海道はその空間を見逃さず、裏のスペースへとＮＯ１２堀米が飛び出すが、ＮＯ９横江がしっかりと対応し、チャンスを作らせない。
連続する北海道の攻撃に対して粘り強く対応する町田だったが、ＮＯ７室田が中央から、ＮＯ１０鈴木が右サイドから強烈なシュートを放ち、町田ゴールに襲い掛かった。
町田もチャンスを作る。ＮＯ７金山、ＮＯ１４服部が北海道の攻撃時のボールを奪ってからのショートカウンターでゴールへと向かうが、ゴレイロの関口が得点を許さない。
７分、北海道ＮＯ１４上貝の素早いカウンターから決定機を作られてしまう。左サイドへと駆け上がった高山へのパスが僅かにずれ、一時は難を逃れたかに見えたが、波状攻撃が町田ゴールを襲う。最後は高山にボールを押し込まれ、先制点を許してしまう。【町田０−１北海道】
しかしその５１秒後、今度は北海道ネットが揺れる。自陣左サイドで相手ボールを奪ったＮＯ２日根野谷は中央の横江へとパスをすると、全力で左サイドを駆け上がる。
ドリブルでゴールへと向かった横江からのボールは彼のもとへと戻ってくる。日根野谷の右足を離れたボールは綺麗な弧を描いて北海道ネットへと吸い込まれた。【町田１−１北海道】
失点直後の同点弾が町田に火をつける。ＮＯ１３中井の突破から左サイドへと走り込んだ金山、そして最後はゴール前中央へと走り込んだ原へとパスを繋ぐが、北海道も粘り強く対応する。
１２分、左サイドで得たキックインからの場面で金山が魅せる。ゴールを背にした状態でＮＯ８滝田からのボールをゴールニアポスト付近で受けた金山は、絶妙のタイミングで足裏を使いゴールネットを揺らすことに成功する。【町田２−１北海道】
前半スコア【町田2−1北海道】
「後半戦」
後半に入っても町田のプレスは続く。北海道の攻撃に粘り強く対応する選手たち。しかしそのプレスを潜り抜け、強烈なシュートを放つ北海道選手たち。それをセーブするＮＯ１守護神イゴール。
一瞬たりとも気の抜けない試合展開が続いた。
２８分、右サイドをドリブルで突破した中井がファウルで得たフリーキックの場面でのキッカーはＮＯ１６篠崎。第２ＰＫの位置へと走り込んだ横江に篠崎からのパスが近づいて来る。ゴール前に立ちはだかる北海道選手たちだったが、横江には得点への道筋が見えていた。丁寧に、そして力強く振り抜かれた右足を離れたボールが北海道ネットに突き刺さった。【町田３−１北海道】
非常に大きな１点を手に入れた町田だったが、北海道選手たちのパフォーマンスは落ちない。再三強烈なシュートが町田に向かうが、イゴールのファインセーブ、そしてバー、ポストにも助けられ時間が経過していく。
２点差は安全な得点差ではない。苦しい場面が続く中、町田は６つ目のファウルで第２ＰＫを献上してしまう。ここでの失点は必ず北海道選手に勢いを与えてしまう。試合終盤、大きな山場がやってきた。
守護神イゴールが前に出る。目を見開き、最後までボールの軌道を見た守護神がボールを弾き返した。
残り時間は無い。パワープレーでゴールを目指す北海道。最後まで足を出し、ゴールを守り続ける町田。１プレーごとに選手たちが吠える。
会場に試合終了を告げるブザーが鳴り響く。安堵の溜め息をつく選手たち。キックオフ後、ピッチ上で唯一ゆっくりと呼吸が出来る瞬間だ。
次節Ｆリーグ２０１５／２０１６第７節の戦場はアウェイ墨田区総合体育館。２０１５年６月６日（土）、黄色の戦士たちは現在リーグ順位６位のフウガドールすみだに挑む。
勝て！ ペスカドーラ町田！！
後半スコア【町田１−０北海道】
合計スコア【町田３−１北海道】
写真：松岡健三郎（まつおかけんざぶろう）
記事：早川治（はやかわおさむ）
◆オフィスオサム：http://www.officeosamu.com/
※今シーズンはホームゲームを中心にマッチレポートを掲載していきます。 |
