第7節

2015年6月6日(土)/16:30試合開始/墨田区総合体育館/観客953人
2
1
0
3
1
3

金川武司:04分

稲葉洸太郎:24分

22分:篠崎隆樹

35分:オウンゴール
38分:篠崎隆樹

背番号
選手名
PS
先発
1
揚石創
GK
 
3
金川武司
FP
4
諸江剣語
FP
6
宮崎曉
FP
7
稲葉洸太郎
FP
8
太見寿人
FP
9
田村佳翔
FP
11
清水和也
FP
12
大黒章太郎
GK
14
西谷良介
FP
16
岡山和馬
FP
25
曽根直人
FP
 
背番号
選手名
PS
先発
1
イゴール
GK
2
日根野谷建
FP
3
森谷優太
FP
6
本田真琉虎洲
FP
7
金山友紀
FP
8
滝田学
FP
9
横江怜
FP
12
小野寺優介
GK
 
13
中井健介
FP
14
服部慎悟
FP
16
篠崎隆樹
FP
20
原辰介
FP

SuperSports XEBIO Fリーグ2015/2016 第7節
フウガドールすみだ戦 ハイライト動画

【マッチレポート】



今シーズン、試合序盤から積極的にプレッシャーをかけ、ボールを奪いに行くスタイルが続く町田は、アウェイ墨田でも同スタイルを選択する。ボールを奪い攻撃権を得る。そしてメインスタイル、クワトロで相手ゴールへと向かう。

先ずはマイボールにする。NO16篠崎隆樹がプレスをかけ、ボールを奪い、そのまま左足を振り抜く。第7節、彼のオープニングシュートが壮絶な戦いの幕をあけた。




前線からプレスをかける町田だったが、すみだはボールを上手く動かし攻撃権を失わない。経験豊富なNO14西谷、NO4諸江、NO7稲葉を中心とした組み立てからの攻撃で町田ゴールに襲い掛かる。すみだペースで試合は進んだ。







きっかけを掴みたい町田は、セカンドセットからピッチに立ったスピードスターNO13中井、日本代表のNO8滝田が精力的に動き、チャンスを作り出すが、ディフェンス面でもすみだの集中力は高く、得点を奪うには至らない。



4分、町田陣内でボールを動かし、チャンスを窺うすみだ。諸江を中心としたボール回しから、最後はNO3金川の強烈なミドルシュートが町田ゴールに突き刺さってしまう。【町田0−1すみだ】



すみだの勢いが増す。
「切り替えゼロ秒」フウガドールすみだ須賀雄大監督が掲げる言葉通りのプレーを選手たちは体現化する。ボールを奪った瞬間、鋭いカウンターの波が押し寄せる。いや、その考えが身に沁み込んでいる選手たちは、たとえ守備の最中であったとしても、「ボールを奪える瞬間」という未来を予測し、既に「攻撃への動き」へと全身の神経に伝達指示を変更する事が出来ている。すみだは強い。町田にとってハードな試合展開が続いた。






前半スコア【町田0−1すみだ】

「後半戦」



後半に入ってもすみだの勢いは衰えない。しかし、今試合2回目のネットを揺らしたのは町田。
22分、右サイドで得たコーナーキックの場面、NO2日根野谷からのボールに左足で合わせた篠崎の強烈なシュートがすみだゴールへと向かうが、NO12ゴレイロの大黒が弾き返す。ボールは逆サイドのゴールラインを越え、審判は左サイドからのコーナーキックでの試合再開を指示する。


「当たり前の事というのが出来なくなってしまうことがよくあります。」第3節湘南戦で岡山監督が口にした言葉が頭に浮かぶ。


誰もが「重要なひとつの瞬間」について考えている中、ピッチ外を全力で走る日根野谷は、既に次のシーンのスタート地点に到達していた。ゴール前は固められている。しかし篠崎はフリーだった。日根野谷の右足から丁寧に転がされたボールを篠崎が振り抜く。場所は先程とほぼ同位置だ。

すみだネットが大きく揺れる。「大切なことを常に実行し続ける。失念は無い」日根野谷らしい得点シーンの演出に町田サポーターが叫ぶ。【町田1−1すみだ】



この得点で流れを変えたい町田だったが、同点弾の立役者に思わぬ未来がやって来た。カウンターから決定機を作られ、体を張って守ろうとした日根野谷の左手に金川のシュートが当たる。決定機の阻止として審判が下したジャッジはレッドカード。しかもPKがすみだに与えられた。すみだキッカー稲葉は冷静に大任を遂行する。【町田1−2すみだ】



町田にとって我慢の展開が続く。残り時間が刻一刻と無くなっていく中、待ちに待った瞬間はやって来た。
35分、左サイドで得たコーナーキックの場面、NO3森谷が中央へ入れたボールがディフェンスに当たりすみだゴールへと吸い込まれた。【町田2−2すみだ】


歓喜の後にピンチがやって来る。この試合を象徴するかの様なシーンが訪れる。得点直後、6つ目のファウルで第2PKを献上した町田。キッカーはPKで2点目を決めている稲葉洸太郎。
この試合内容でのここでの失点は重く町田に伸し掛かるに違いない。
「イゴール頑張れ!!」アウェイ墨田会場内に女性の大きな声が木霊する。皆が合わせて出した声ではない。ひとりの声だ。
選手の背中を後押しする気持ちは守護神に届いた。電光掲示板は今までの町田ゴールシーン後との大きな違いを伝えている。スコアは同点のままだ。【町田2−2すみだ】





「すみだの試合だった。」そう言っても否定する人は少ない試合内容だった。だがこの試合、最後にスコアボードに得点を刻み込んだのは「勝利を目指し、走り続けた黄色の戦士たち」だった。

37分14秒、篠崎隆樹の左足を離れたボールがすみだゴールをくの字に変える。墨田区総合体育館内に悲鳴と歓声が混ざり合う。【町田3−2すみだ】






残り時間が無い。
すみだはパワープレーで町田ゴールへと向かうが、この試合を通じて「耐え続けた」町田が勝利の2文字を手に入れることに成功した。本当に険しい山を乗り越えた後の貴重な勝ち点3だ。







サポーターが謳い、ドラム音が鳴り響く。
「ペースカドーラ!!」ダダンダダンダン。
「ペースカドーラ!!」ダダンダダンダン。
この音が会場に無かったら、果たして選手たちは最後のパワープレーに耐えることは出来たのだろうか? そして、チームに関わる全員が、笑って会場を後にすることは出来たのだろうか?



安堵の笑みを浮かべ、選手たちはサポーターに手を振った。




後半スコア【町田3−1すみだ】
合計スコア【町田3−2すみだ】

写真:橋本健(はしもとたけし)
記事:早川治(はやかわおさむ)
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