第9節

2015年6月19日(金)/19:30試合開始/町田市立総合体育館/観客1,201人
1
1
1
1
0
0


横江怜:17分
08分:相井忍

背番号
選手名
PS
先発
1
イゴール
GK
2
日根野谷建
FP
3
森谷優太
FP
5
甲斐修侍
FP
6
本田真琉虎洲
FP
8
滝田学
FP
9
横江怜
FP
12
小野寺優介
GK
 
13
中井健介
FP
16
篠崎隆樹
FP
20
原辰介
FP
22
西村祐飛
FP
 
背番号
選手名
PS
先発
1
冨金原徹
GK
2
鈴村拓也
FP
4
山元優典
FP
5
森洸
FP
8
高橋宏征
FP
9
岡崎チアゴ
FP
10
ロドリゴ
FP
11
神戸洋平
FP
18
相井忍
FP
19
山蔦一弘
FP
20
ファウスト
FP
22
小石峯成彦
GK
 

SuperSports XEBIO Fリーグ2015/2016 第9節
デウソン神戸戦 ハイライト動画

【マッチレポート】



5月24日に行われた名古屋戦以来、3勝1分けと4試合負けの無い町田。ここ3試合では苦労しながらも手に入れた3連勝という結果によって、開幕当初に立ちはだかった「頭も体も硬い」という難題は少しずつ解決の方向へ進んでいると捉えても良いのではないだろうか。



ホームでの2連戦、会場を黄色に染めるサポーターたちの声援を後押しに、ペースを掴みたい町田だったが、なかなかギアが上がらない立ち上がりとなった。



主導権は神戸が握った。NO10ロドリゴを中心にボールを動かす神戸が町田ゴールに襲い掛かる。ロドリゴは、組み立て、自身のシュート、ゴール前への飛び込み、すべてのシーンで顔をみせる。

神戸の攻撃が続く。NO9岡崎チアゴ、NO18相井忍、NO4山元優典、NO8高橋宏征のシュートが町田ゴールへと向かう。









そして8分、NO2日根野谷建がスリップして足元から離れたボールをロドリゴが奪うと、ドリブルで町田陣内に持ち込み、数的不利状況で懸命に対応するNO3森谷優太を十分に引き付けた後、ボールを足元から離し、得点シーンを演出した。


ゴール前左サイドでフリーとなった相井がネットの形を変える。【町田0−1神戸】



神戸の勢いが増す。ロドリゴのシュート、NO5森洸、NO2鈴村拓也のシュートが町田ゴールに向かうが、イゴールのファインセーブ、ポストにも助けられ失点には至らずに試合は進んだ。

試合開始から17分、苦しい展開が続いた町田だったが、NO9横江怜が今までの状況を払拭するプレーをみせる。

相手陣内でのパスをインターセプトした横江のコントロールは、シュートを打つためのベストポジションへと転がっていく。インターセプトがベストコントロールとなる。理想のボールタッチから流れる様な得点シーンが生まれた。神戸ネットにボールが突き刺さる。なかなかギアの上がらない町田にとって、待ちに待ったゴールシーンだ。怜は観客席に向かって拳を高く突き上げた。【町田1−1神戸】




前半スコア【町田1−1神戸】

「後半戦」





得点後の勢いそのままにペースを掴みたい町田だったが、後半最初の決定機を作ったのは神戸。またもロドリゴのドリブル突破から最後は相井へと繋ぐが、イゴールがファインセーブでゴールを許さない。


良くない後半戦のスタートシーンだった。しかし、町田のトランスミッションは、前半戦とは全く違う動きをみせる。

決定機が増え始める。いち、に、さん、よん、ご。選手たちのギアが上がっていく。
状況を観て、判断し、想像する。考え、伝え、実行に移す。神経が筋肉を動かし、ボールはピッチ上を軽快に移動し始める。無駄な動きが減り、点と点がシンプルに繋がっていく。

軽快なフィーリングだ。

「いち」。左サイドで得たキックインの場面、日根野谷からのパスに絶妙のタイミングで中央へと走り込んだ横江が合わせるが、ポストに嫌われてしまう。

「に」。神戸ゴール前、NO13中井健介からボールを受けたNO8滝田学がトリッキーなコントロールから左足を振り抜く。


「さん」。日根野谷からのキックインに一瞬の隙から生まれたスペースへとNO6本田真琉虎洲が走り込み、強烈なシュートを放つ。

「よん」。日根野谷からのコーナーキックに横江がボレーで合わせたシュートが神戸ゴールへと向かう。



「ご」。篠崎からのボールを神戸陣内へと走り込んだ本田が合わせるが、僅かにゴールの左へと逸れてしまう。




「ろく」。NO5甲斐修侍からのパスを受けたNO20原辰介が右足を振り抜く。




「なな」。自陣内、絶妙なポジションでボールを受けた甲斐が神戸選手2人を置き去りにして得た3対2数的優位の場面から右サイドの中井、中井からファーサイドへと走り込んだ原へとボールを動かすが、神戸の素晴らしいディフェンスの前に得点へと繋げることが出来ない。





スピードが上がり、素晴らしい光景が流れては消えていく。歓声が空気を揺らし、ホームアリーナの温度が上がっていく。





残り時間21秒、アウトボールになった瞬間、岡山監督がタイムアウトの申請へと走る。



「21秒」十分すぎる時間だ。監督はパワープレーの戦術を選手たちに伝える。
フィオーレメンバーが踊り、大きな声を出す。
サポーターたちはタオルを上下左右へと動かし、スタンドの景色が揺れる。



「P・E・S・C・A・D・O・L・A!!」
「P・E・S・C・A・D・O・L・A!!」

「勝て! ペスカドーラ町田!」サポーターたちはラスト21秒での劇的勝利の瞬間を想像する。

ピッチに選手が戻ってくる。時間が無くなっていく中、選手たちは慎重に、そして丁寧に緩急をつけながらボールを動かす。



残り時間2秒、右サイドから甲斐が中央の横江へと丁寧にボールを転がす。豪快に振り抜かれた横江の右足を離れたボールが神戸ゴールへと向かう。



しかし、日本代表ゴレイロでもある神戸の守護神、NO1冨金原徹が立ちはだかる。
試合終了の瞬間をブザーが告げ、レフェリーのホイッスルが会場に鳴り響いた。



ゴールが遠い試合だった。けれども、明日もホームアリーナでの試合がある。5速、6速、7速・・・。
町田のギアは更に上がっていくはずだ。




後半スコア【町田0−0神戸】
合計スコア【町田1−1神戸】

写真:橋本健(はしもとたけし)
記事:早川治(はやかわおさむ)
◆オフィスオサム:http://www.officeosamu.com/