第16節

2015年8月8日(土)/16:00試合開始/町田市立総合体育館/観客1,343人
2
1
1
1
1
0

ボラ:13分
 
後呂康人:34分
 
16分:オウンゴール

 

背番号
選手名
PS
先発
1
イゴール
GK
3
森谷優太
FP
4
後呂康人
FP
5
甲斐修侍
FP
6
本田真琉虎洲
FP
7
金山友紀
FP
8
滝田学
FP
9
横江怜
FP
10
ボラ
FP
13
中井健介
FP
17
鈴木紳一朗
GK
 
20
原辰介
FP
 
背番号
選手名
PS
先発
1
揚石創
GK
3
金川武司
FP
4
諸江剣語
FP
6
宮崎曉
FP
7
稲葉洸太郎
FP
9
田村佳翔
FP
11
清水和也
FP
12
大黒章太郎
GK
 
13
青山竜也
FP
14
西谷良介
FP
16
岡山和馬
FP
25
曽根直人
FP

SuperSports XEBIO Fリーグ2015/2016 第16節
フウガドールすみだ戦 ハイライト動画


【マッチレポート】

 全33節の「折り返し地点」前最終試合となる第16節フウガドールすみだ戦。今季2回目の対戦だ。2カ月前の6月6日に行われた対戦では、死闘を制し、アウェイでの貴重な勝ち点3を手に入れた町田だったが、試合後岡山監督は「内容は良くなかった」と苦言を呈している。
 その後、両チームは躍進を続け、2015年8月8日現在の順位は2位と3位。今試合の結果次第では、順位が入れ替わるという重要な試合でのチーム目標は「内容と結果」の両方を得ることだ。
 40分後に「敗戦」という言葉は絶対にいらない。今試合はNO8滝田学にとっても大きな節目となるからだ。試合前「進化するフィクソ」が、リーグ16人目となるFリーグ通算200試合出場達成者として表彰された。
 滝田学の記念試合。混戦が続くリーグ内、順位変動が起こり得る2位、3位の直接対決。そして、全33節の「折り返し地点」前最終試合となる第16節。すみだは進化を続けている。ならば、こちらはその先を行こう。
 岡山監督は「内容も結果も求める」ゲームプランニングで試合に臨んだ。



 試合開始早々、先制点を奪われ、常にリードされる展開に苦労した前回の対戦が脳裏をよぎる。すみだNO9田村の強烈なシュートがポストを叩いた。



 少ないタッチ数でボールを動かし、チャンスを窺う町田に対し、アウェイすみだは前線から激しいプレスをかけてくる。
 町田も負けてはいない。すみだボールになれば、積極的にプレスをかけ、相手のミスを誘う。両チーム共に球際への寄せが速い。
 「いつ、どのようにして奪うのか?」「どこへ、どうやって回避しながら突破口を見つけていくのか?」選手たちが頭をフル回転させる見応えある立ち上がりとなった。












 町田がセットを変えた後もすみだの積極的なプレスは続いた。町田陣内からプレッシャーをかければ、すみだ陣内にスペースが出来る。4人のフィールドプレイヤーがすべてのスペースを埋めることは不可能だ。岡山監督は、そのスペースの有効活用方法について考え、人選を行う。







 NO13中井健介が期待に応え、「その空間」に飛びこんだ。滝田からのボールをゴール前で受けた中井がゴレイロをかわし、シュートを放つが、バックアップに入ったNO6宮崎にクリアされてしまう。





 目まぐるしいセットチェンジが続く中でも試合の図式は変わらない。両チームが激しいプレスをかけ、相手のミスを誘う。ボールを奪うことに成功すれば、相手ゴールへと素早く向かうという展開が続いた。











 「プレスをかけ、ミスを誘う」というプランを成功させ、得点へと先に結びつけたのは町田。13分、NO3森谷優太のプレッシャーが相手のミスを誘う。すみだ陣内でのミスパスを手に入れたNO10ボラが豪快なシュートをすみだネットに突き刺した。




【町田1−0すみだ】

 この先制点で勢いに乗りたい町田だったが、シュート場面を増やしたのはすみだ。NO13青山、NO6宮崎、NO11清水のシュートが町田ゴールへと向かう。
 イゴールのファインセーブが続き、失点には至らないものの、地道なジャブが効果を生む瞬間がやってきてしまう。



 16分、左サイドを突破したNO16岡山が中央へと入れたボールがオウンゴールを誘ってしまう。




【町田1−1すみだ】

 ショッキングな同点劇の後でも黄色の戦士たちのパフォーマンスは変わらない。ボラ、森谷が決定的な場面を作り出す。得点には至らなかったが、後半への勢いをつける前半戦終盤を終え、選手たちはロッカーへと向かった。






前半スコア【町田1−1すみだ】






「後半戦」

 前半終盤に得た勢いは衰えない。町田らしい細かいボール回しからチャンスを窺う展開で試合が進む。セットプレーバリエーションの多さも町田のストロングポイントだ。 左サイドで得たコーナーキックの場面、キッカー滝田からのボールにNO7金山友紀がボレーで合わせるが、ゴレイロ揚石が立ちはだかる。



 ゴレイロNO1イゴールを加えたパワープレーも攻撃バリエーションのひとつだ。数的優位状況を作り出すことにより、「あと少し、相手選手を引き出すことが出来るか?」選手たちはポジション修正を繰り返す。「スペースをどのように作り、使っていくのか?」「自分がボールを受けるのか? それとも自分はおとりの動きをするべきなのか?」
 様々な攻撃パターンを組み合わせながらすみだゴールへと向かうが、ネットは揺れることなく試合時間が経過していく。



 引いて守ってからボールを奪い、相手ゴールへと向かう「カウンター」とは異なり、高い位置でボールを奪い、素早いカウンターを仕掛ける「ショートカウンター」も重要な攻撃ツールだ。
 ボラがボールを奪い、すみだゴールへと向かう。相手を十分引きつけた後、左サイドを駆け上がった森谷へと繋ぎ、決定機を作り出すが、この場面でも得点に結びつけることが出来ない。





 町田らしいフットサルはピッチ上で表現されている。「内容」はついてきている。あとは結果が必要だ。左サイドから森谷が強烈なシュートを放つ。しかし、この場面でもゴレイロの揚石がゴールを許さない。



 なかなかスコアが動かない時間が続いたが、前半とは打って変わり、地道なジャブを効かせたのは町田。
 ドラムのリズムに乗り、大声で応援を続けたサポーターたちが待ちに待った瞬間がやってきた。
 34分、右サイドで得たキックインの場面、キッカー中井が丁寧に転がしたボールをNO4後呂康人が豪快に振り抜く。次の瞬間、後呂の右足を離れたボールがすみだネットに跳ね返された。大歓声が会場中に響き渡る。




【町田2−1すみだ】

 すみだがギアを上げる。タレント揃いのすみだは決定機を作り出すが、イゴールの細かいポジション修正、見事なセーブ力で「決定機が決定機に観えない」シーンが続いた。Fリーグ最強守護神がゴールを許さず、残り時間が無くなっていく。









 38分46秒、タイムアウトを申請したすみだ須賀監督は、NO7稲葉をゴレイロにパワープレーを実施。強烈なシュートがゴールへと向かうが、この場面でも守護神は得点を許さない。





 今日必要なものは「勝利」の2文字だけだ。選手が、スタッフが、応援団が、観客が、チームをサポートするすべての人々が、心からの声援を送り続けた結果として手に入れたものは、「内容と結果」の両方だった。











後半スコア【町田1−0すみだ】
合計スコア【町田2−1すみだ】

 次節17節は、いよいよ「折り返し地点」となる。往路の航海は順調だったと言えるだろう。復路第1戦目に立ちはだかるのは、開幕戦の対戦相手ヴォスクオーレ仙台だ。
 さぁ、重要な分岐点に到着した。覚悟をもって進むべき路を決めよう。荒れ狂う海原を航海しきるには、皆の力が不可欠だ。

写真:橋本健(はしもとたけし)
記事:早川治(はやかわおさむ)
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