第17節

2015年9月5日(土)/14:00試合開始/塩釜ガス体育館/観客651人
2
2
1
4
0
3

内野脩麻:01分
 
井上卓:20分
 
02分:中井健介

 
27分:金山友紀
40分:滝田学
40分:ボラ

背番号
選手名
PS
先発
1
村山竜三
GK
6
清水誠
FP
8
藤本豊
FP
9
渡邊一城
FP
11
井上卓
FP
13
唐澤広彰
FP
 
14
内野脩麻
FP
15
伊藤広樹
FP
17
今井翔
FP
18
藤山翔太
FP
21
倉橋洋介
GK
 
24
松木裕功
FP
 
背番号
選手名
PS
先発
1
イゴール
GK
3
森谷優太
FP
4
後呂康人
FP
6
本田真琉虎洲
FP
7
金山友紀
FP
8
滝田学
FP
9
横江怜
FP
10
ボラ
FP
12
小野寺優介
GK
 
13
中井健介
FP
16
篠崎隆樹
FP
20
原辰介
FP

SuperSports XEBIO Fリーグ2015/2016 第17節
ヴォスクオーレ仙台戦 ハイライト動画

【マッチレポート】

 全33節の「折り返し地点」第17節、復路最初の対戦相手はヴォスクオーレ仙台。開幕戦では「3対0」で町田が勝利しているが、今回の会場は仙台のホーム宮城県。地元応援団が仙台選手たちの背中を力強く後押しする環境の中、彼らは、前回とは比べものにならないほどの高いモチベーションとパフォーマンスで試合に臨んでくるに違いない。
 だが、町田も絶対に負ける訳にはいかない。王者名古屋オーシャンズの背中は視野に入っている。彼らに独走は許さない。すべての試合が正念場だ。



 町田のキックオフで試合が始まる。激しくボールに寄せてくる仙台選手のプレスを速いパス回しで回避し、最後はパラレラの動きで突破したNO20原辰介がゴレイロNO1村山竜三と1対1の場面を作り出すことに成功するが、得点にはいたらない。
 町田らしいオンとオフの動きが入り交じった良い立ち上がりに見えた。だが、今試合最初のゴールを奪ったのは、ヴォスクオーレ仙台NO14内野脩麻。
 自陣内から始めたドリブル突破から、彼の右足をボールが離れるまで、町田選手は一度もボールに触れることが出来なかった。



【仙台1−0町田】<20秒>

 しかし、町田もすぐさま同点に追いつく。先制の勢いに乗り、前線からプレスをかけてくる仙台選手の裏のスペースへと、スピードスター後継者NO13中井健介が飛び出す。
 その空間へNO1イゴールから正確なボールがフィードされると、彼は仙台選手2人のプレスを回避し、左足でスコアボードに得点1を刻み込んだ。





【仙台1−1町田】<1分13秒>。

 この得点をきっかけに、町田らしい流れへと持っていきたいところだったが、ホーム仙台のパフォーマンスが良い。前線からプレスをかけ、町田選手たちのミスを誘う。攻撃権を奪えば、各選手が懸命に動き、ボールを動かしながら町田ゴールへと向かってくる。

それでも町田はチャンスを作り出す。右サイドを駆け上がった中井から中央ゴール前へと走り込んだ原へとパスが通る。原が右足で合わせたボールにゴレイロ村山の手は届かない。しかし、バーが得点を許さない。




 前半は仙台ペースだった。裏のスペースが空くということが解っていても、彼らは恐れることなく、前から積極的なプレスをかけてくる。
 町田が前線からプレスをかければ、裏のスペースへと選手たちが飛び出し、チャンスを作り出す。NO8藤本豊、NO9渡邊一城、NO17今井翔、NO24松木裕功のシュートが町田ゴールに向かう、ハードな展開が続いた。


 テンポを変えるきっかけがほしい町田は、イゴールを加えたパワープレーも攻撃のバリエーションに加えながら仙台ゴールへと向かう。



 NO9横江怜の左足シュート。NO10ボラとのコンビプレーからNO6本田真琉虎洲のシュート。そしてボラ自身のシュート。少しずつ良い流れとなってきた矢先、町田選手を襲ったのは失点という結果だった。
 仙台陣内、イゴールを加えたボール回しを奪われ、無人のゴールへとボールが吸い込まれていく。仙台NO11井上卓の拳が高く突き上げられ、会場に歓声と拍手が沸き起こる。


【仙台2−1町田】<19分09秒>

前半スコア【仙台2−1町田】

「後半戦」

 後半開始早々、右サイドのNO7金山友紀からゴール前左サイドへと走り込んだ原へとパスが通る。ゴレイロと1対1の場面を作り出すことに成功した原だったが、シュートはゴール僅か左へと外れてしまう。

 前半とは打って変わり、後半の主導権を握ったのは町田。町田らしいボール回しがピッチ上で披露されはじめる。
 流れは良い。だが、流れだけでは駄目だ。大切なことは先ず同点に追いつくこと。そんな中、セットプレーバリエーションの多い町田にとって、良い場所でのフリーキックが与えられる。
 仙台選手の視界外から顔を出した金山へと、キッカーNO8滝田学が絶妙なタイミングでボールをフィードする。ゴレイロの前、右足でボールの軌道を変えた金山がネットを揺らすことに成功した。経験値の高い選手だからこそ出来るプレーが黄色のサポーターたちのハートに火をつける。遠く仙台まで応援にかけつけてくれたサポーターの歓声がアウェイアリーナの壁に何度も弾き返される。同点弾だ。




【仙台2−2町田】<26分13秒>

 町田のリズムがテンポアップする。金山が、滝田が、ボラが、NO16篠崎隆樹のシュートが仙台ゴールへと向かう。
 今試合初のリード状況はいつ来るのか? サポーターは応援を続け、その時を待った。
 決定的シーンが訪れる。右サイドの中井からゴール前ファーサイドへと走り込んだ原へとパスが通る。原の右足を離れたシュートが仙台ゴールへと向かうが、この場面でもシュートを防いだのはポスト。なかなか待望の逆転弾が生まれずに時間が経過していく。



 残り時間は2分。なかなか良い流れを取り戻すことがなかなか出来なくなった仙台は、パワープレーを敢行する。しかし、自陣内、フィールドプレイヤーをゴレイロにした状態からパワープレーを実施する仙台に対し、町田は前線からプレスをかけ、前へと進ませない。
 パワープレーらしい状況を作り出せない仙台に対し、待ちに待った逆転シーンを演出したのは、点取り屋ボラと進化するフィクソ滝田学。
 パワープレーでのパス回しにプレスをかけ、ミスを誘って得たキックインの場面、ボラが素早くリスタートを実施する為にピッチ外のボールへと走る。ゴレイロはまだ戻っていない。
 滝田はボラから受けたボールを左足で丁寧に振り抜く。残り時間22秒、綺麗な放物線を描いたボールが仙台ネットへと吸い込まれていった。




【仙台2−3町田】<39分38秒>

 更に残り8秒にはボラのパワープレー返しが決まり、土壇場での逆転劇を成功させた町田が、価値ある勝ち点3を手に入れる結末となった。




【仙台2−4町田】<39分52秒>

 復路初戦、「勝ち点1」を分け合う結末となるシナリオが用意された台本は破棄された。しかし、各チームは進化を続けている。それを目の当たりにした試合だったと言えるだろう。

後半スコア【仙台0−3町田】
合計スコア【仙台2−4町田】



 「ストライカーという言葉は、生まれ持った才能のある選手のみが手に入れる事の出来る称号だ。指導者は様々な努力をし、エースストライカーを育成しようとするが、悲しいかな、彼らを育成することは出来ない。」良く聞く言葉だが、果たしてそうだろうか?
 決定的シーンは何度も作り出している。あとは「ゴールを決めた」という言葉を付け加えれば、完璧な文章が出来あがる。
 何万回ボールを蹴れば、「現在の自分」にとってのベストシュートが打てるようになるのだろう? 身体は進化を続けるが、退化もしていく。現在の自分と向き合い、自分自身に声をかける。そして、その時その時のベストを保ちつつ、弛まぬ努力を続けたプレイヤーにのみ、結果という言葉はついてくるのだろう。

リーグは中盤戦に突入した。王者の背中を見ながら走る事を辞め、彼らに町田の背中を見せつける場所へと行こう。今週末の2連戦、対戦相手は、アグレミーナ浜松、そして絶対王者名古屋オーシャンズだ。
 リーグ優勝へ向け、「勝て! ペスカドーラ町田!」。

写真:橋本健(はしもとたけし)
*使用している写真は、第17節のものではございません。
記事:早川治(はやかわおさむ)
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