第19節

2015年9月13日(日)/15:30試合開始/テバオーシャンアリーナ/観客1,309人
6
4
1
2
2
1

セルジーニョ:06分
 
森岡薫:14分
酒井ラファエル良男:18分
森岡薫:19分
酒井ラファエル良男:21分
シンビーニャ:25分
 
08分:日根野谷建
 
 
 
 
 
31分:篠崎隆樹

背番号
選手名
PS
先発
2
田村研人
FP
3
北原亘
FP
4
酒井ラファエル良男
FP
5
星龍太
FP
9
森岡薫
FP
10
シンビーニャ
FP
11
セルジーニョ
FP
14
ペドロコスタ
FP
16
中村友亮
FP
17
八木聖人
FP
19
篠田龍馬
GK
22
矢澤大夢
GK
 
 
背番号
選手名
PS
先発
1
イゴール
GK
2
日根野谷建
FP
5
甲斐修侍
FP
6
本田真琉虎洲
FP
7
金山友紀
FP
8
滝田学
FP
9
横江怜
FP
10
ボラ
FP
12
小野寺優介
GK
 
13
中井健介
FP
16
篠崎隆樹
FP
20
原辰介
FP

SuperSports XEBIO Fリーグ2015/2016 第19節
名古屋オーシャンズ戦 ハイライト動画

【マッチレポート】

 第19節、アウェイ4連戦第3戦目対名古屋オーシャンズ戦。18節を終えた時点での王者の敗戦数は僅か「1」。ハイペースで独走を続ける絶対王者を止める為には、勝ち点3を地道に積み重ねていく事、そして、直接対決で勝利を手にする事が非常に重要な要素になってくる。
 古巣名古屋を相手にピッチに立つNO10ボラの200試合出場記念となる試合、岡山監督は前回対決同様「真っ向勝負」で名古屋に挑むという選択肢を選んだ。



 流動性が魅力のファーストセットメンバーがチャンスを作る。NO8滝田学からのボールに名古屋陣内右サイドへと駆け上がったNO7金山友紀が左足で合わせるが、ジャストミートする事が出来ず、得点には至らない。

 町田は名古屋の攻撃レベルを低下させる為に激しくプレッシャーをかけていく。しかし、名古屋選手たちは、体格の差を活かしたプレーやポゼッションの上手さ、個人能力でのプレス回避を行い、町田ゴールへじわりじわりと近づいて来る。

 名古屋戦では常に先制していく展開で試合を進めていきたい。それはどのチームも思っていることだろう。各選手の個人能力がずば抜けて高い上に経験も豊富な彼らには、攻撃権を失わずに時間を経過させていくことの出来る力がある。
 ボールを奪い返さなければ攻撃は出来ない。だから選手たちはプレッシャーをかけ続ける。だがボールが奪えない。奪いどころが限定出来ない状況が続けば、肉体的、精神的な疲労が蓄積する。プライオリティーワン、それは先制点を奪う事だ。

 しかし、今試合でも先制点を奪ったのは名古屋だった。NO13中井健介と滝田がワンツーでの突破を試みた攻撃を名古屋NO5星に奪われてしまうと、星、NO11セルジーニョとパスが繋がり、最後はNO1イゴールとの1対1を制したセルジーニョが町田ネットを揺らした。


【名古屋1−0町田】<5分31秒:セルジーニョ>


 先制点を奪い、名古屋が勢い鋭く攻めたてる。前線からプレスをかければ、裏へと選手が飛び出す。右サイドを駆け上がった星の強烈なシュートが町田ゴールに向かうが、NO1イゴールがファインセーブでゴールを許さない。



 名古屋選手たちは老練だ。ボールを奪いたい町田選手たちは、激しいプレッシャーをかけ、相手の攻撃レベルを低下させたい。だから厳しくボールに寄せていく。しかし、彼らは無理をしてそのプレスを身体で受け止めたりはしない。それが必要な時には身体を張るが、時には無理をせずに倒れ込み、町田のファール数を増やしていく。結果、早い時間に町田は5ファールという状況に追い込まれることになる。

 そんな中、NO2日根野谷建とNO6本田真琉虎洲の2人が結果を出す。右サイドで得たキックインの場面から、日根野谷が絶妙なキックで左サイドへ走り込んだ本田へとパスを通すと、本田がドリブルで相手ディフェンスをかわし、ファーサイドへと走り込んだ日根野谷へラストパスを送る。
 日根野谷の左足を離れたシュートが名古屋ネットに突き刺さった。







【名古屋1−1町田】<7分36秒:日根野谷建> 。

 同点弾が町田選手たちの攻撃レベルを上げる。左サイドで得たフリーキックから金山がボレーで合わせるが枠を捉えることが出来ない。
 名古屋ボールを奪ったNO9横江怜からのパスを受けたボラが、カウンターからNO19篠田との1対1の場面をつくるが、ファインセーブに阻まれてしまう。

 チャンスを作ることは出来ているが、得点を奪えない状況が続くと、今度は名古屋が巧みなポゼッションでボールを動かし始める。そして14分、NO9森岡が抜群のキープ力で町田選手たちを引き付けると、右サイドのNO14ペドロコスタへとパス。ペドロコスタは、オフザボールの動きでマークを振りほどいたNO4酒井ラファエル良男へとボールを繋げた。
 イゴールがボールにプレッシャーをかけるが、「ペナルティーエリア内で相手選手を背後から倒した」という判定から、名古屋にペナルティーキックが与えられてしまう。



 ゴールが小さく見えるほどの長身イゴールがゴール前に立ちはだかる。そして、イゴールを鼓舞する声援が会場に響く中でも、エース森岡薫の精神力、技術力が揺らぐことは全くない。右足を離れたシュートが大きくネットを揺らしてしまう。



【名古屋2−1町田】<13分47秒:森岡薫 PK>

 更に18分、左サイドからNO4ラファエル酒井が中井からのプレスを受けながらも左足を振り抜き、3点目をスコアボードに点灯させた。


【名古屋3−1町田】<17分14秒:酒井ラファエル良男>

 前半の残り時間が2分を切る。自陣内でボールを奪った中井がドリブルで名古屋ゴールへと向かうが、ホイッスルが中井のドリブルを止めた。オンザボールの周りでは何も起こっていない。ホイッスルの理由はオフザボールだった。
 カウンター攻撃を防ぐ為、懸命に帰陣しようとしたNO3北原を滝田が妨害したというファールのホイッスルが鳴り響く。町田のファールは既に5つ溜まっている。19分、名古屋に第2PKが与えられた。



 キッカーは森岡薫。前へ出てコースをふさぐイゴールの位置を冷静に見た森岡は、パワーシュートではなく、右足インサイドで丁寧にボールをゴールへと流し込んだ。


【名古屋4−1町田】<18分43秒:森岡薫 第2PK>

前半スコア【名古屋4−1町田】

・・・・・

 前半終了後、ピッチ中央では、驚きの表情を隠せない町田選手たちとレフェリーが話し合いをしていた。通常あまり見る事の無いシーンだ。
 選手たちに告げられていた内容は、「NO6本田真琉虎洲へのレッドカード」だった。理由は「審判への侮辱行為」。
 滝田が懸命に話し合いを繰り返したが、判定は覆ることなく、「前半最後のセットメンバーとしてピッチに残っていた本田が退場した為、後半開始は4人でのスタート」が宣告されてしまった。

・・・・・

「後半戦」

 名古屋相手に3点のビハインド状況となってしまった町田にとって、後半最初に必要なものは得点だ。しかし、ピッチに立つプレイヤーは4人。滝田学、金山友紀、横江怜、そして守護神イゴール。











 声を掛け合い、懸命に身体を張り、プレスをかけ続けた選手たちだったが、後半開始30秒、ゴール前へと走り込んだラファエル酒井にネットの形を変えられてしまう。


【名古屋5−1町田】<20分30秒:酒井ラファエル良男>

 後半開始早々の追加点は選手たちの精神に大きなダメージを与えた。どうにかして得点差を縮めたい町田だったが、追加点を奪ったのは名古屋。
 25分、絶妙なタッチでコーナーからのボールをコントロールしたNO10シンビーニャがイゴールとの1対1を制し、今試合6回目の町田ネットを揺らすことに成功した。


【名古屋6−1町田】<24分59秒:シンビーニャ>

 5点差となっても、遠く名古屋の大地まで駆け付けてくれたサポーターたちの応援の質は落ちない。苦しい試合展開だが、試合は終わっていない。最後まで走り続け、1点でもビハインド状況数字を変えていく。黄色の戦士たちは最後の最後まで目的地を目指し続けた。

 31分、待ちに待った瞬間がやって来る。自陣内、日根野谷が左サイドのNO16篠崎隆樹へボールを渡すと、巧みなタッチで相手ディフェンスをかわした篠崎が前線でマークを外した横江へとパスを通す。横江からのリターンパスを受けた篠崎が左足で名古屋ネットの形を変えた。4点差だ。




【名古屋6−2町田】<30分10秒:篠崎隆樹>

 名古屋のパフォーマンスは明らかに低下している部分があった。疲労が理由ではない。それは、4点というリード状況が続いているからだ。今、彼らには、死にもの狂いで戦わなければならないというモードになる必要がない。
 だからこそ今、町田にとって必要なものは得点だ。フットサルに「3点シュート」はない。ビハインド状況を打開する為には、1点ずつ積み重ねていく以外、方法はないのだ。
 イゴールを加えたパワープレー、中井、金山、日根野谷のシュート、そして篠崎をゴレイロにしたパワープレーの敢行。
 決定機を作ることは出来た。だが、ゴールを奪う事が出来ずに時間が過ぎていき、4点差からのビハインドを縮めることは出来ずに試合終了のブザーが鳴り響いた





後半スコア【名古屋2−1町田】
合計スコア【名古屋6−2町田】

 王者との勝ち点差は更に3つ拡がってしまった。失点6、得点差は4点。それは大きな数字だと捉える人もいるだろう。けれども、今回の敗戦は、様々な困難が入り混じった中での結果であり、完敗という言葉は当てはまらない内容だったと言えるのではないだろうか?

 アウェイ4連戦最終戦対バサジィ大分戦。強豪との戦いを終えた後には、多くの仲間が背中を押してくれるホーム町田での戦いが待っている。
 内容と結果、両方を手に入れ、満面の笑みで試合会場を後にする日は、これから何回訪れるのか?
 その答えを用意出来るのは、ペスカドーラ町田を心から愛する人々のみだ。



写真:橋本健(はしもとたけし)
*使用している写真は、第19節のものではございません。
記事:早川治(はやかわおさむ)
◆オフィスオサム:http://www.officeosamu.com/