第23節

2015年10月12日(月・祝)/15:00試合開始/町田市立総合体育館/観客1,110人
3
1
0
1
2
1

ボラ:20分
滝田学:23分
中井健介:29分
  
 
 
40分:本田拓磨

背番号
選手名
PS
先発
1
イゴール
GK
2
日根野谷建
FP
3
森谷優太
FP
6
本田真琉虎洲
FP
7
金山友紀
FP
8
滝田学
FP
9
横江怜
FP
10
ボラ
FP
12
小野寺優介
GK
 
13
中井健介
FP
16
篠崎隆樹
FP
20
原辰介
FP
 
背番号
選手名
PS
先発
1
関口優志
GK
2
高山剛寛
FP
3
吉田順省
FP
8
宮原勇哉
FP
9
十川祐樹
FP
14
上貝修
FP
15
室田翔伍
FP
17
水上玄太
FP
18
本田拓磨
FP
20
穴田涼
FP
21
鶴岡広之
GK
 
22
神敬治
FP

SuperSports XEBIO Fリーグ2015/2016 第23節
エスポラーダ北海道戦 ハイライト動画


【マッチレポート】

 2015/2016シーズンも第3クールに突入する。今シーズン初の3回目の対戦相手となるのは、北の雄エスポラーダ北海道。ここまでの戦績は1勝1敗と互いに譲らない状況だ。



 昨シーズン終了後、プレシーズンを含め、シーズン中に同じ対戦相手と戦うことは何回あるだろう? 練習試合、カップ戦、プレーオフ、同じ対戦相手と戦っても、内容が同様となることはまず無い。選手たちは試合終了後、それぞれの家路につく。彼らにも心休まる自分だけのホームがある。そこでは、彼ら本来の姿で過ごすことが出来る。

 個性溢れる選手たちが再度集まった時、共通の価値観を持ち、同じ方向へと進む為には、絶対に欠かせない人材たちがいる。コーチ、監督、トレーナー、栄養士、広報、挙げだせばきりの無い人々がチームを支えている。







 2シーズン連続でプレーオフ進出を逃した悔しさが、埋め込んだ種から出た芽は、確実に太陽に向かって成長を続けている。ペスカドーラ町田というチームは、吸引力を上げ、大きな力を与えてくれる人々と共に目的地へと向かっている。

 2015年10月12日、選手たちの背中を強く押してくれるサポーターが、町田市立総合体育館に数多く集まった。準備は万端だ。
 ファーストセット、NO1イゴール、NO7金山友紀、NO8滝田学、NO13中井健介が北海道ゴールへと向かう。





 ファーストセット同士の攻防では互いに譲らない立ち上がりとなったが、セカンドセットに入ると、北海道選手たちのシュートが、町田ゴールへと向かう場面が増えてしまう。NO22神敬治、NO17水上玄太、NO9十川祐樹がシュートを放つが、イゴールがゴールを許さず、失点には至らない。







 今度は町田の番だ。サードセットに入ると、中井、滝田のワンツー突破から北海道ゴールへと向かうが、日本代表候補のゴレイロNO1関口優志が立ちはだかる。





 町田の攻撃は続く。左サイドから中井のドリブル突破、右サイドからはNO25新倉康明のシュートでゴールを狙うが、名手関口がファインセーブでゴールを許さない。







 次の決定機は北海道。NO15室田翔伍が強烈なシュートを放つが、ポストがボールを弾き返した。



 リードする状況を作り出すことが出来れば、戦術の選択肢が増えていく。先制点がほしい町田は、イゴールを加えたパワープレーも織り交ぜ、得点チャンスを窺う。



 北海道はカウンターの上手いチームだ。ボールを奪えばスピード感あるカウンター攻撃を観客は目の当たりにすることになる。今試合でも北海道らしいプレーがあったが、町田選手たちも素早く帰陣し、決定機を作らせずに試合は進んだ。



 日本代表の滝田が決定機を作り出す。北海道のパスをカットした滝田が、自身のドリブルからゴレイロ関口と対峙するが、シュートはゴール左へと逸れてしまう。 



 6回目のセットチェンジ。ボールを動かしながら突破のチャンスを窺おうとする町田だったが、歯車がなかなか噛み合わない。スコアレスで試合は進んだ。



 18分、岡山監督がタイムアウトを申請する。リードする展開で前半戦を終えることが、最良の折り返し方法だ。スコアを動かす為に指示を与える監督。それを聞く選手たち。そしてサポーターが、「待ち続けている瞬間」を現実にする為に声を張り上げ、タオルを何度も突き上げる。



 前半残り28秒、「その瞬間」はやって来た。北海道ボールを奪った中井がカウンターから左サイドのNO10ボラへとパス。ボラはディフェンスをかわした後、強烈な右足シュートを放つ。これには関口もシュートコースに入ることが出来なかった。



 「まずは1点目をプレゼントする」ボラが人差し指を立て、サポーターの大声援に応えた。


【町田1−0北海道】<19分32秒:NO10:ボラ>

前半スコア【町田1−0北海道】


「後半戦」

 前半終了時の勢いそのままにペースを掴みたい町田だったが、後半開始早々決定機を作り出したのは北海道。
 キックオフの場面、神が町田ゴール前へと走る水上にボールをフィードし、イゴールと1対1の場面を作り出すが、イゴールがゴールを許さない。
 後半の危険な立ち上がりにキャプテンイゴールが檄を飛ばす。



 ピンチを切り抜けた町田にチャンスがやって来る。北海道陣内右サイドで得たフリーキックからのボールを左サイドで受けた滝田が、巧みな切り返しで相手をかわした後、左足を振り抜く。またもゴレイロ関口の左手がシュートコースを塞ぐが、本来の勢いを失った後でも、ボールはゴールへの歩みを止めなかった。



 滝田が右拳を突き上げ、観客席に向かって吠えると、場内アナウンスが響き渡った。「日本代表!! 滝田学!!」
 会場に大きな歓声が沸き起こると、大きなドラム音が壁に突き刺さる。サポータが声を合わせ、大声で叫ぶ。「滝田!! ダンダンダン! 滝田!! ダンダンダン! 滝田!! ダンダン!」
 23分、後半序盤の貴重な得点が、町田のパフォーマンスを上げていく。




【町田2−0北海道】<22分43秒:NO8:滝田学>

 新倉のカウンター攻撃から左サイドを駆け上がった原へとパスが通る。この場面では、原のシュートは枠を捉えられなかったが、町田のリズムを上げるきっかけになったことは間違いない。





 とにかく1点が必要な北海道は前線から激しいプレスをかけてくる。しかし、町田はボールを動かし、それを回避。29分には、滝田、ボラ、原と繋ぐ。北海道陣内、原が身体を張り、倒れながらもボラへとパスを通すと、ボラが華麗な足技からシュートを放つ。





 誰もがボラの左足が生んだゴールだと思ってしまうシーンだった。だが、北海道の守護神関口の右足はボラのシュートを防ぎ、ボールはゴールの外へとその軌道を変えていた。



 最後の最後、ゴールへとボールを押し込むために「その空間」にいた中井がコースを向かうべき場所へと軌道修正し、3点目をスコアボードに点灯させたのだ。



 イゴールにはもちろん見えていた。キャプテンは中井のもとへと向かい、手を差し伸べて中井のゴールを祝福した。


【町田3−0北海道】<28分31秒:NO13:中井健介>

 3点のビハインドとなってしまった北海道は、NO18本田拓磨をゴレイロにパワープレーを敢行。町田ゴールへと襲い掛かるが、町田の集中は途切れない。スコアは動くことなく時間は過ぎていく。













 北海道の衰えない熱いハートが結果を生む。ラスト39秒、最後の最後までゴールを狙い続けた北海道にゴールを許してしまうが、2点のリードを守りきり、黄色の戦士たちは、3対1で試合終了の瞬間を迎えることに成功した。


【町田3−1北海道】<39分21秒:NO18:本田拓磨>



後半スコア【町田2−1北海道】
合計スコア【町田3−1北海道】

 次節の対戦相手は、オーシャンカップ優勝チームの府中アスレティックFC。今季の対戦では、2勝と勝ち越しを決めているが、2戦とも非常に苦しい戦いだった。
 3回目の戦いも厳しいものになるだろう。しかし、会場は町田市立総合体育館だ。



 人それぞれ、日々違う道を歩いている。そういった人々が、この会場に集まってくる時がある。セントラル開催、ホーム開催。リーグ運営上の位置づけは問題ではない。このスタジアムに、同じ志を持った人々が集まれればそれでいい。



 全33試合中の残り試合は10試合。この地にソウルを終結させ、心から求めているものを手に入れ続けよう。合言葉は、「勝て! ペスカドーラ町田!」だ。

写真:橋本健(はしもとたけし)
記事:早川治(はやかわおさむ)
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