第25節

2015年10月24日(土)/10:00試合開始/テバオーシャンアリーナ/観客804人
1
0
0
6
1
6

 
 
 
 
 
金山友紀:32分
24分:佐藤亮
26分:森秀太
28分:ヴィニシウス
29分:佐藤亮
31分:ヴィニシウス
 
35分:田村友貴

背番号
選手名
PS
先発
1
イゴール
GK
2
日根野谷建
FP
3
森谷優太
FP
6
本田真琉虎洲
FP
7
金山友紀
FP
8
滝田学
FP
10
ボラ
FP
12
小野寺優介
GK
13
中井健介
FP
16
篠崎隆樹
FP
20
原辰介
FP
22
西村祐飛
FP
 
背番号
選手名
PS
先発
1
宮武晴紀
GK
2
柿原聡一朗
GK
4
森秀太
FP
5
アルトゥール
FP
10
ヴィニシウス
FP
12
小曽戸允哉
FP
18
田村友貴
FP
20
堀内迪弥
FP
22
佐藤亮
FP
24
村上哲哉
FP
26
加藤未渚実
FP
88
稲田瑞穂
FP

SuperSports XEBIO Fリーグ2015/2016 第25節
シュライカー大阪戦 ハイライト動画


【マッチレポート】

 第25節、第26節、名古屋にて開催されるセントラル2連戦初戦の対戦相手はシュライカー大阪。今季、ここまでの対戦成績では、2勝0敗と好成績を収めてはいるが、大阪というチームは紛れもない強豪だ。
 大阪についての過去のデータを見てみよう。大阪は、オーシャンアリーナカップ、全日本フットサル選手権、それぞれの大会で2回の優勝という最高の栄誉を手に入れている。そして、準優勝の数も多い。彼らは常に上位のポジションを維持し、ファイナルの舞台へと姿を現しているのだ。今試合も厳しい戦いになることは間違いない。
 しかも、今季の対戦では、登録はされてはいたもののピッチ上ではプレーする機会のなかったプレイヤーが町田を苦しめることになる。







 序盤、流動性が魅力のひとつであるファーストセットメンバー、NO13中井健介、NO7金山友紀、NO20原辰介、NO8滝田学がボールを動かしながら大阪ゴールへと向かおうとするが、大阪はプレスラインを下げ、町田にスペースを与えない。







 セカンドセットに入り、NO10ボラの個人技が会場を沸かす。左サイドを華麗なドリブルで突破したボラがシュートを放つが、大阪ゴレイロNO1宮竹晴紀がゴールを許さない。



 今試合、確実にキーマンとなったのはNO12小曽戸允哉だ。怪我に悩まされ、今シーズンでは対戦することのなかったスーパープレイヤーが攻守に渡り町田を苦しめる。



 正確無比なロングパス、素晴らしい状況判断からのカウンター攻撃、オフザボールでの高度な駆け引きによるデスマルケ、自身のドリブル突破、そしてシュート。数多くの日本代表レベルでの経験を持つ小曽戸が存在感を見せつけた。



 大阪は町田のセットによってプレッシングスタイルを変えていく。どのパターンでもプレッシングレベルが強く、各プレーにおける集中力が高い。「この試合は絶対に負けない」という闘志が体現化されていた。
 NO22佐藤亮、NO26加藤未渚実、NO24村上哲哉がゴールへと向かうが、NO1イゴールが好守で得点シーンを作らせない。







 大阪ペースの試合だ。流れを変えたい町田は、NO2日根野谷建のコーナーからのボールにボラがボレーで合わせるが、ゴレイロ宮竹が弾き返す。そのこぼれ球をNO6本田真琉虎洲が押し込もうとするが、枠を捉えることが出来ない。







 今度は左サイドからNO22西村祐飛がシュートを放つが、この場面でも宮竹が立ちはだかる。



 単発では惜しいシーンがあるが、町田らしいフットサルをすることが出来ない内容となった。リズムが掴めない。一方の大阪はサンバのリズムに乗り、テンポを上げていく。



 どうにかして糸口を見つけたい町田は、大阪の一瞬の隙を見逃さなかった。右サイドで得たキックインの場面、スペースを見つけたスピードスターの中井が滝田からのボールを受け、シュートを放つが、ボールはゴール左へと逸れていく。



 リズムに乗り続ける大阪は前線から激しいプレスをかけてくる。そのプレスを掻い潜り、NO16篠崎隆樹が決定機を演出する。前線へと駆け上がった本田へとパスを通すと、本田は宮竹との1対1を制すことに成功。ボールがゴールへと吸い込まれていく。





 しかし、この場面でも決定的な仕事をしたのは小曽戸允哉。宮竹のバックアップに入った彼が失点を防ぐ。

前半スコア【町田0−0大阪】

「後半戦」

 どの場面でも小曽戸が現れる。大阪陣内で得たフリーキックの場面、セットプレーからの得点率が非常に高い金山を完璧なマークでフリーにさせないプレイヤーがいる。それが彼だ。これでは名手篠崎もボールをフィードすることが出来ない。





 先制点は大阪に奪われてしまう。24分、カウンターから流れる様なパスが繋がり、最後は佐藤亮のシュートがゴールに突き刺さってしまう。


【町田0−1大阪】<23分08秒:NO22:佐藤亮>

 大阪のテンポが上がっていく。どうにかしてリズムを変えたい町田は、篠崎がシュートを放つが、枠を捉えることが出来ない。



 この場面でアクシデントが町田を襲う。背中から落下した篠崎が怪我の為、一度ピッチを離れることになってしまうと、大阪は町田の隙を見逃さなかった。カウンター攻撃からNO4森秀太に追加点を奪われてしまう。


【町田0−2大阪】<25分10秒:NO4:森秀太>

 大阪の勢いが止まらない。右サイドからのコーナーキックの場面、キッカーNO5アルトゥールからのボールにNO10ヴィニシウスがボレーで合わせ、町田ネットの形を変えた。


【町田0−3大阪】<27分40秒:NO10:ヴィニシウス>

 更に29分、またもアルトゥールからのキックインがゴールシーンを生む。町田陣内フリースペースへと走り込んだ森がアルトゥールからのパスを受け、最後は左サイドでフリーとなった佐藤へとパス。佐藤のシュートがスコアボードに「4」の数字を刻み込んだ。


【町田0−4大阪】<28分34秒:NO22:佐藤亮>

 失点直後にタイムアウトを取った町田はパワープレーを開始。ピッチへと戻ってきた篠崎をゴレイロに大阪ゴールへと向かうが、大阪は集中した守備で死守。ひとたびボールを奪い返せば、ボールを動かし、パワープレーを実施する場面を作らせない。



 31分、今日の大阪はどのような隙も見逃さない。パワープレー攻撃終了後の一瞬の隙、ゴレイロの交代の場面を見逃さず、全選手の的確な判断で追加点を奪う事に成功する。


【町田0−5大阪】<30分32秒:NO10:ヴィニシウス>

 5点差、大きなビハインドとなった。だが、黄色の戦士たちはどのような状況になっても諦めない。32分、パワープレーから篠崎、滝田、金山と繋ぎ、金山が今試合町田の初得点を決め、点差を4点へと縮める。残り時間は8分、フットサルでは十分すぎる残り時間だ。


【町田1−5大阪】<31分50秒:NO7:金山友紀>

 しかし、ここからの大阪が強い。いくらゴールが近くにあるフットサルとは言っても、町田にとって4点差というのは大きなビハインドだ。逆を言えば、大阪にとっては大きなリードと言うことが出来る。



 だが、攻守に渡り、大阪はすべての場面で集中し続けた。声を掛け合い、身体を張り、ガッツポーズを繰り返す。
 そのひたむきなプレーが結果を生む。次の得点がほしいのは絶対に町田だった。しかし、大阪NO18田村友貴がパワープレー返しを決める。


【町田1−6大阪】<34分33秒:NO18:田村友貴>

 残り時間は5分、まだ時間はある。なかなかリズムが掴めない町田だったが、ここからは決定機が幾度も訪れる。
 自陣内、金山がプレスを回避して右サイドを駆け上がったNO3森谷優太へとパスを通す。森谷はゴール前左サイドへと走り込んだボラへとボールをフィードするが、僅かに合わない。





 今度はボラからのボールを中央へと折り返した金山のパスに本田が合わせるが、交代で出場したゴレイロNO2柿原聡一朗がスーパーセーブでゴールを許さない。



 町田の攻撃は続いた。金山が放ったシュートを身体を張ってブロックした加藤のルーズボールがボラの足元へと向かう。



 ゴレイロの位置をよく見たボラがシュートを放つが、この場面でも枠を捉えることが出来なかった。





後半スコア【町田1−6大阪】
合計スコア【町田1−6大阪】

・・・・・・・

 FリーグNO1守護神イゴールを中心とした堅守で、総失点数の少ない町田が、「6点」という大量失点をしてしまった試合はいつだろう? 1試合での今季最大失点数は、いずれも名古屋戦での失点6。今季ワーストタイの試合となってしまった理由は何だったのだろうか? 町田の調子が悪かったのか? 大阪が強かったのか?



 試合後の記者会見、篠崎隆樹選手がコメントした内容を抜粋しようと思う。

 「今日の大阪は良いゲームをしたと思います。自分たちは流れを掴めず、相手のペースでゲームを運ばれてしまいました。途中でそれを変えられなかったのは自分たちの問題でもあるし、それを変えられるようにならなければ、プレーオフに出ても厳しい戦いとなるであろうと感じています。」

 もうひとつ、岡山監督が口にする言葉を短く書こう。
「トップレベルでは、個人個人、そして各チームの差は殆どないと思う。試合に臨むプランが3つあるとする。どのプランを選んでもどうにかなるという程、そのレベルでの試合は簡単なものではない。選ぶべき選択肢を間違えれば、恐ろしい結末が待っていることだったある。」

 この試合、「選ぶべき選択肢」を町田は間違えてしまったのだろうか? 私はそうは思わないが、試合を観戦した方々の眼にはどのように映ったのだろうか? その理由を探すことも試合観戦の魅力のひとつだと思う。



 結果に繋げられなかった決定機、緊張の途切れ、一瞬の隙、歯車の噛み合い具合・・・、些細なことが、後々重要な要素になってくる。そして、様々な現象が積み重なっていき、結果という現実が目の前にやって来る。
 厳しい試合だった。だが試合後、選手、そしてサポーターは項垂れたりはしない。今週は連戦だ。明日も重要な試合が行われる。切り替えの瞬間は今だ。

 次節の対戦相手は4連勝と波に乗るフウガドールすみだ。次節での敗戦は、順位変動の引き金になりかねない。
 全員の力でここまで来た。保ち続けてきた順位は絶対に譲らない。

「勝て! ペスカドーラ町田!」

写真:橋本健(はしもとたけし)
記事:早川治(はやかわおさむ)
◆オフィスオサム:http://www.officeosamu.com/