【マッチレポート】
「前半戦」
開幕戦同様、対戦相手が選んだ守備戦術のプライオリティーワンは「自陣に引き、なるべく相手にスペースを与えないようにする事」だった。
スペースが少なくなれば、攻撃は難しくなる。しかし町田は、「たとえ相手に引いて守られたとしても勝つ」為の攻撃バリエーションを日々着々と増やしている。
限られたスペースの中でも逆「への字」型の陣形が様々な形に変化し、ボールが次々と居場所を変えていく。町田ペースで試合が進んだ。
通常のシナリオで考えれば先制点を奪うのは町田だが、それを否定するのが現実だ。「理想と現実」。カウンターから失点という結果もあり得る。
しかし、ホーム開幕戦では嬉しい結果がついてくる。今シーズンの公式戦ホーム初ゴールはドリブラー森谷優太の右足から生まれた。
森谷が得意のドリブルから右足で中央ゴール前へとボールをフィードする。ファーサイドには金山友紀がつめていたが、金山の足元へと向かう前にボールの軌道が変わった。仙台選手の足に当たったボールがゴールへと吸い込まれる。
【町田1−0仙台】<5分:森谷優太>
ゲームを支配したのは町田だったが、仙台にも決定機はあった。最終ラインからの組み立て時にボールを奪われ、ゴレイロと1対1の場面を作られてしまうが、小野寺優介が堅守でゴールを許さない。
13分、テクニシャン篠崎隆樹がペナルティーエリア内での巧みなポストプレーから相手ディフェンスのハンドを誘う。
PKのキッカーは今シーズンのキャプテン金山友紀。金山は冷静にゴレイロの逆をつき、得点「2」をスコアボードに点灯させた。
【町田2−0仙台】<13分:金山友紀>
その後も町田がボールを動かすシーンが続き、仙台ゴールへと襲い掛かるが、追加点は奪えずに前半戦が終了する。
前半スコア【町田2−0仙台】
「後半戦」
後半開始早々15秒、右サイドコーナーキックの場面でのキッカーは横江怜。
横江からのボールを左足ダイレクトボレーで合わせた篠崎のシュートが仙台ゴールに突き刺さる。
【町田3−0仙台】<21分:篠崎隆樹>
仙台の基本戦術は前半と同じだ。
町田の攻撃が続く中、日根野谷建、本田真琉虎洲がゴールを狙うが、追加点は奪えずに試合は進んだ。
ボールポゼッション率では町田の方が上だったが、仙台にチャンスが無かった訳ではない。
再三小野寺のファインセーブで得点シーンを作らせなかったが、自陣でボールを奪われ、ゴレイロと1対1の場面を作られてしまうと、今試合初の失点を喫してしまう。
【町田3−1仙台】<32分:木島悠斗>
得点をきっかけに勢いに乗りたい仙台。しかし、町田は中井健介、甲斐修侍らのシュートで追加点を狙いにいき、主導権を譲らない。
試合終了間際、仙台陣内第2PKスポット付近で篠崎が倒される。
この場面でのキッカーは横江怜。彼の右足を離れたボールが篠崎の左足へと向かう。残り時間10秒、篠崎が豪快に振りぬいた左足シュートが仙台ネットの形を変えた。
横江から篠崎へ。今試合2回目のホットラインが成功し、4対1でホーム初戦初白星を手に入れた。
【町田4−1仙台】<40分:篠崎隆樹>
後半スコア【町田2−1仙台】
合計スコア【町田4−1仙台】
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昨シーズン、町田市立総合体育館で行われたリーグ戦の合計試合数「16」中の勝利数は「11」。勝率は非常に高かったと言える。
しかし、Fリーグの歴史を変える為には、「11」というホームでの勝利数を超える事が必要になるだろう。そして、9連覇中の王者名古屋との対戦での勝ち越しを決めた時、「リーグ初優勝」という言葉が自分たちのものになる可能性は高くなるに違いない。
さぁ、今シーズン初の名古屋戦だ。2016年6月26日(日)テバオーシャンアリーナで行われる第3節は14時キックオフ。
岡山孝介監督が昨シーズン語った言葉で今回のレポートを締めくくりたいと思う。
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「何かを成し遂げる為には、一気に駆け上がるのは難しい。チームは段階的に強くなっていくのです」。
「勝て! ペスカドーラ町田!」
写真:橋本健(はしもとたけし)
記事:早川治(はやかわおさむ)
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