【マッチレポート】
「前半戦」
町田選手たちが数多くのチャンスを作り出す序盤戦となった。室田祐希、宮崎貴史、中井健介、金山友紀、横江怜がゴールへと向かう。
しかし、先制点を奪ったのは大分。6分、森村孝志のミドルシュートが町田ネットの形を変えてしまう。
【町田0−1大分】<5分02秒:森村孝志>
町田にとって序盤戦の試合内容は悪いものではなかった。だからこそ失点が悔やまれる。しかし、逆を言えば、大きな精神的ダメージはない。
先制点の力で勢いに乗りたい大分だったが、町田は森岡薫のシュート、中井健介の俊足を活かした突破等で大分ゴールへと向かい、ペースを譲らない。
チャンスは作り出すものの、大分の堅守、そしてゴレイロ岩永汰紀の好セーブの前にゴールが遠い町田だったが、15分、ホーム戦2試合連続で室田祐希がゴールネットを揺らすことに成功する。
左コーナーキックの場面、キッカー滝田学からのボールにダイレクトボレーで合わせたシュートが大分ゴールへと吸い込まれた。
【町田1−1大分】<14分29秒:室田祐希>
勢いに乗り逆転を狙う町田だったが、今度は大分が譲らない。前半終了間際まで互いに決定的シーンを作り出していくが、スコアは動くことなく前半戦が終了した。
前半スコア【町田1−1大分】
「後半戦」
後半に入っても町田がボールを動かしながらチャンスを窺うという展開で試合が進んでいく。しかし、またも結果を出したのは大分。カウンターから森村孝志に今試合2得点目のゴールを決められてしまう。
【町田1−2大分】<21分54秒:森村孝志>
チャンスは作っているがゴールが奪えない。苦しい時間帯が続く中、オールマイティープレイヤーの滝田学が結果を出す。32分、町田陣内からハイプレッシャーをかけてくる大分に対し、町田選手たちは高いキープ力とボール回しでそれを回避する。
4人のプレイヤー全員が相手陣内でプレスをかけてくれば必ず空くスペースがある。滝田はそこを見逃さなかった。裏のスペースへと抜けだす滝田。そこへピンポイントのパスを出せるゴレイロ、それがピレスイゴールだ。
滝田は丁寧な胸でのコントロールから左足へとボールを動かす。思い切りよく振り抜いた左足が大分ネットを揺らした。待ちに待った同点弾に観客が沸く。
【町田2−2大分】<31分55秒:滝田学>
失点から約10分。苦労の末に手に入れた同点弾だ。町田に勢いがつく。今度はチャンスを作り出すだけではない。勢いも手に入れた町田選手たちが逆転弾を狙いにいくが、大分には素晴らしい選手たちが数多くいる。その中のひとり、日本代表の仁部屋和弘が個人技での突破から決定的なチャンスを作り出すが、イゴールが好守で追加点を許さない。
38分、今試合初のリードチェンジの瞬間が現実となる。大分陣内でボールを奪った滝田学が相手ディフェンスのハイプレッシャーを受けながらも右足を振り抜く。右サイドコーナー付近、角度の無い位置から放たれたボールが大分ゴールに突き刺さった。
【町田3−2大分】<37分53秒:滝田学>
残り時間は2分7秒。非常に重みのある時間帯での逆転弾だ。失点直後に大分はタイムアウトを申請。試合再開と同時にパワープレーがスタートした。
時間が経過していく。町田陣内で大分がボールを動かし続けるが、失点シーンは訪れない。大分に残された時間は35秒。
苦しみながらもやっと手に入れたリード状況だ。けれどもフットサルという競技では、ここから同点、更には逆転という未来も作り出されてしまう可能性がある。
残り時間31秒、苦しい時間が続く中、森谷優太が決定的な仕事をする。
ディドゥダが放ったシュートをスライディングで阻止する森谷。激しい音が鳴り響いた後、宙に浮いたボールを選手たちが手に入れようと競り合う中、ボールが最後に選んだ行き先は森谷優太の右太腿だった。
森谷は柔らかいタッチでボールをコントロールした後、右足で丁寧にボールを大分ゴール方向へと押し出す。ボールはゆっくりと無人の大分ゴールへ吸い込まれていった。
【町田4−2大分】<39分29秒:森谷優太>
観客が両手を突き上げ、立ち上がる。黄色のタオルが回り続け、ペスカドーラコールが会場に木霊し続けた。
後半スコア【町田3−1大分】
合計スコア【町田4−2大分】
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次なる戦いの舞台は8月27日(土)、28日(日)2日連続で試合が行われる名古屋でのセントラル開催だ。
対戦相手はヴォスクオーレ仙台。そして、アジア王者となった名古屋オーシャンズ。
選手たち、そしてサポーターたちの目線の先にあるもの。それは、町田に「Fリーグ王者」という称号を持ち帰る未来だ。
いざ名古屋へ。「勝て! ペスカドーラ町田」
写真:橋本健(はしもとたけし)
記事:早川治(はやかわおさむ)
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