【マッチレポート】
「前半戦」
前半の合計シュート数は１９本。立ち上がりから町田がチャンスを作り出し、湘南ゴールへと向かう。
室田祐希のロングシュートを皮切りに、原辰介、中井健介が決定機を作り出すが、新加入のゴレイロ、フィウーザがファインセーブの連続でゴールを許さない。
セカンドセットに入っても町田はチャンスを作り続けた。森岡薫のドリブル突破から森谷優太、本田真琉虎洲と繋いでのゴールを目指すが、僅かに合わず得点には至らない。
森岡のフリーキックから金山友紀。室田のドリブル突破からの強烈なシュート。チャンスは作り出すものの得点が奪えずに試合が進んだ。
先制点を奪ったのは湘南。１０分、湘南陣内でプレーするピレスイゴールから中井健介へのパスが狙われる。パワープレー状態の町田ゴール前には誰もいない。こぼれ球にいち早く反応したロドリゴのシュートが、放物線を描きながら無人の町田ゴールへと吸い込まれていった。
【湘南１－０町田】<９分５１秒：ロドリゴ>
なかなか得点が奪えなかった町田にビックチャンスが舞い込む。湘南６つ目のファールに対する笛が鳴り、レフェリーは第２ＰＫポイントを指差した。
キッカーは横江怜。第２ＰＫ職人の異名を持つ横江だが、この場面ではフィウーザが立ちはだかる。
内容では負けていない。しかし、なかなか得点が奪えない時間帯が続く中、待ちに待った得点シーンの演出を手掛けたのは森岡薫だった。
湘南陣内左サイド、森岡は相手ディフェンスのタイミングをずらす抜群の駆け引きで突破に成功する。ゴール前へと走りこむ本田の位置を確認した森岡は中央へとボールをフィード。そのパスが懸命に戻った湘南選手のオウンゴールを誘った。
【湘南１－１町田】<１７分３１秒：オウンゴール>
前半スコア【湘南１－１町田】
「後半戦」
後半戦では湘南の方が数多くのシュートシーンを作り出した。岡山康平、ロドリゴの強烈なシュートが町田ゴールへと向かうが、イゴールがファインセーブでゴールを許さない。
ボールを動かしながら逆転弾を狙う町田だったが、湘南は堅守からの速攻で町田を苦しめる。スコアレスのまま、時間が経過していった。
残り時間１０分を切ったところで今試合の大きなキーポイントがやって来る。町田陣内、連続でフリーキックを得た湘南の攻撃を凌いだ町田がカウンターを仕掛ける。
イゴールからのパスを受けた横江が湘南ゴール前でファールを受ける。絶好の位置で得たフリーキックの場面、フィールドに立つプレイヤーは、滝田学、森岡薫、金山友紀、そして篠崎隆樹。
リスタートからの試合再開。レフェリーの笛が鳴る。ボールの前に立つ滝田。その横でゴールへの道筋を確認する森岡。
湘南選手たちがゴール前に集まっている。彼らは壁を作り、ボールとゴールを繋げる線を減らしていく。
このリスタートから起こり得る可能性について考えてみよう。
（１）滝田学がシュートを打つ。その「可能性」は非常に低い。滝田の身体の向き。ボールへの進入スピード。そして点とネットが繋がる可能性の高さから考えても答えは「Ｎｏ」だろう。
（２）滝田が動かしたボールを森岡が打つ。「可能性」は高い。湘南選手の壁を回避出来ればシュートコースが見えてくる。そしてその瞬間にシュートを打つ選手は森岡薫だ。あらゆるシュートパターンが期待できる。得点シーンが現実となる未来は十分あり得る。
「可能性」はその２つだけではない。だからこそ、「これから何が起こるのか？」が楽しみになるのだ。
そして現実。
選手、観客たちが目の当たりにした現実は「３番目以降の可能性」だった。ボールがシューターとして選んだ選手は篠崎隆樹。滝田からのパスをダイレクトで放った篠崎のシュートが湘南の守護神フィウーザの横を通り過ぎていく。逆転弾が湘南ネットに突き刺さった。
【湘南１－２町田】<３３分１５秒：篠崎隆樹>
苦労して手に入れたリード状況だ。しかし、町田のファール数は既に５つ溜まっている。今後のファールは第２ＰＫのチャンスを与えてしまうという苦しい残り時間の中、６つ目のファールの笛を鳴らしたのは湘南側だった。
キッカーは森岡薫。彼の右足を離れた強烈なシュートがゴールへと向かう。フィウーザの手は届かない。
轟音が鳴り響き、スタジアム内に歓声と悲鳴が入り混じる。シュートはクロスバーに弾き返され、２点リードの状況を作ることが出来ない。
フィウーザを加えたパワープレーも実施する湘南。しかし町田は堅守でゴールを許さない。時間が無い湘南はハイプレッシャーをかけ続ける。ボールを奪い、町田ゴールへと向かいたい湘南だったが、森岡の抜群のキープ力を筆頭に、各選手が湘南に攻撃権を与えずに時間が経過していった。
後半スコア【湘南０－１町田】
合計スコア【湘南１－２町田】
最小リードで手に入れた貴重な勝ち点３。苦しみながらも手に入れた勝利は中断期間を有意義な時間にする為の大きな結果だったと言えるだろう。
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リーグは中断期間に入る。「ＦＩＦＡフットサルワールドカップコロンビア２０１６」。この大会が終了した後、日本フットサル界は更なる成長を続けていくことになるだろう。
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次節の対戦相手は現在暫定順位６位のデウソン神戸。今季初対戦の結果は記憶に新しい開幕戦での敗戦だ。
第１４節デウソン神戸戦は２０１６年１０月１５日（土）敵地グリーンアリーナ神戸で１６時キックオフ。黄色の戦士たちは、「内容と結果」、その両方を手に入れる町田らしいフットサルを披露してくれるはずだ。
「勝て！ ペスカドーラ町田」
写真：橋本健（はしもとたけし）
記事：早川治（はやかわおさむ）
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