【マッチレポート】
今季初対戦では3対2で勝利を収めた町田。2016年8月6日に行われた試合の会場はホーム町田市立総合体育館だった。
第20節、今季2度目の対戦会場は大田区総合体育館。町田にとってはアウェイゲームとなるが、会場には多くの町田サポーターが応援に駆けつけてくれた。
至るところで黄色と黒のグッズが目に付く。今日は完全アウェイではない。
町田の現在の順位は12チーム中4位。3位すみだとの勝ち点差は「4」。必要なものは言うまでもない。
定刻19時00分、すみだ11番清水和也の右足が試合の始まりを告げた。
「前半戦」
互いに前線から激しいプレスをかけ合う見応えのある立ち上がりとなる中、先制点を奪ったのは町田。
すみだ陣内から激しいプレスをかけ、ボール奪取に成功した森岡薫がネットを揺らす。
【すみだ0−1町田】 <4分46秒:森岡薫>
更にその13秒後、セットプレーから町田が魅せる。日根野谷建からのキックインを受けた森岡がゴール前フリーとなった室田祐希へとパス。室田が右足で丁寧にボールを流しこんだ。【すみだ0−2町田】 <4分59秒:室田祐希>
日根野谷のキックインのタイミング、森岡の素晴らしいパス、そして室田のゴールに大きな拍手が送られ続けた。ここしかないというパス、そして、抜群のポジショニングからのゴールだった。
しかし、この得点シーンで陰ながら決定的な仕事をした横江怜のことを見逃してはいけない。森岡の鋭いパスを成功させる為、横江はディフェンダーの対応を巧みなブロックで一瞬遅らせている。「経験豊富な横江ならではの素晴らしいプレーを見ることが出来たシーンだった」と言っても、反論する人は少ないのではないだろうか。
たまらずタイムアウトを取るすみだ須賀雄大監督。勢いに乗りたい町田だったが、9分、コーナーキックからのボールにゴール前で合わせた田村佳翔のシュートが突き刺さってしまう。
【すみだ1−2町田】 <8分04秒:田村佳翔>
町田に決定機がやってくる。残り時間9分の時点で5ファールとしてしまったすみだに対し、6つ目のファールで第2PKを手に入れた町田だったが、森岡のシュートは名手清家大葵のファインセーブに阻まれてしまう。
今度はピンチを乗り切ったすみだが魅せる。13分、鮮やかなカウンター攻撃から最後は諸江剣語にネットの形を変えられてしまう。
【すみだ2−2町田】 <12分13秒:諸江剣語>
互いにハイプレッシャーをかけ合い、ひとつのボールを奪い合う白熱した試合展開の図式は変わらない。両チーム共に決定的な場面も作り出すが、得点は動くことなく前半戦が終了した。
前半スコア【すみだ2−2町田】
「後半戦」
後半早々スコアが動く。献身的なプレーでチームに貢献し続ける宮崎貴史のディフェンスから町田らしいボール回しが始まる。
宮崎のヘディングでのカットから本田真琉虎洲、原辰介、滝田学。滝田から原、そしてまた本田へ。最後は本田が右サイドからゴール前へと入れたボールに原が胸で合わせ、価値ある追加点をスコアボードに刻み込んだ。
【すみだ2−3町田】 <20分27秒:原辰介>
その後は我慢の展開が続いた。西谷良介、清水和也、宮崎暁、諸江剣語、渡井博之が町田ゴールへと襲い掛かってくる。
33分、堅守で我慢を続けた町田が待望の追加点を奪う。左サイドでディフェンス2人を引き寄せた森岡が中央へと走りこむ中井健介にピンポイントのパスを成功させる。中井はフリーだ。スピードスターが右足で合わせたシュートが、スコアボードに「4」の数字を点灯させた。
【すみだ2−4町田】 <32分17秒:中井健介>
残り時間4分。パワープレーを敢行したすみだだったが、今試合7回目のネットを揺らしたチームは町田。
シュートブロックに成功した中井がこぼれ球を拾い、無人のゴールへとドリブルで向かう。
【すみだ2−5町田】 <38分13秒:中井健介>
残り時間が1分を切る。しかし、すみだ選手たちはゴールへの執念を絶やさない。
39分13秒にボラ、40分00秒には稲葉洸太郎にゴールを決められてしまう。
【すみだ3−5町田】 <39分13秒:ボラ>
【すみだ4−5町田】 <40分00秒:稲葉洸太郎>
5対4。手に入れたものは勝ち点3だ。だが、試合終了を告げるブザーが鳴り響いた時、町田選手たちの表情は険しいものだった。
後半スコア【すみだ2−3町田】
合計スコア【すみだ4−5町田】
・・・・・
苦しい試合だった。そして、40分ジャストでの失点シーンは選手たちにとって応えるものとなっただろう。
けれども、強敵フウガドールすみだを相手に手に入れた最終結果は、この上ない「勝利」の2文字だ。
若手とベテランの融合は着実にステップアップを続けている。非常に価値ある「勝ち点3」を実感した選手たちは、終始心からの応援を続けてくれたサポーターたちに笑顔で手を振った。
・・・・・
リーグ戦は終盤へと向かっている。試合の厳しさはより一層激しさを増していくに違いない。しかし、勝利を目指し走り続ければ、きっと求めるものは目の前に姿を現すはずだ。
「勝て! ペスカドーラ町田」
・・・・・ 第20節を終えた時点での順位等
順位:12チーム中4位
勝ち点:37 − 首位シュライカー大阪(以下大阪):49
*大阪の消化試合数は19試合
勝敗数:12勝1分7敗 − 大阪:16勝1分2敗
総得点数:66点 − 大阪:107点
総失点数:52点 − 大阪:52点
得失点差:+14 − 大阪:+55
写真:橋本健(はしもとたけし)
記事:早川治(はやかわおさむ)
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