【マッチレポート】
「前半戦」
開始僅か55秒、CKのキッカー宮崎貴史からのボールに篠崎隆樹が左足ボレーで合わせる。篠崎のシュートはディフェンスに弾き返されてしまうが、こぼれ球にいち早く反応した中井健介が浜松ネットを揺らし、先制点をスコアボードに刻み込んだ。【浜松0−1町田】 <55秒:中井健介>
幸先の良いスタートとなったが、今度は浜松がコーナーから魅せる。マークを振りほどいてフリーとなった松浦勇武が野嶋倫からのボールに合わせ、町田ネットの形を変えた。【浜松1−1町田】 <8分50秒:松浦勇武>
ホームの声援を受け、勢いに乗る浜松だったが、2点目を奪ったのは町田。室田祐希のドリブル突破でチャンスを作り出すと、森谷優太、横江怜と繋ぎ、再度リード状況を手に入れる。【浜松1−2町田】 <16分24秒:横江怜>
19分にも町田が決定機を作り出す。前線からプレスをかけてボールを奪いに来る浜松に対し、裏のスペースへと抜け出した横江へと室田からのパスが通る。ゴレイロ石黒絋久との1対1の場面を手に入れた横江だったが、このシーンを制したのは石黒だった。ボール奪取に成功した石黒からのボールを受けた中村友亮がカウンターからイゴールとの1対1を制し、同点弾を叩きこむ。【浜松2−2町田】 <19分07秒:中村友亮>
前半スコア【浜松2−2町田】
「後半戦」
前半終了間際、第2PKでの得点チャンスを逸してしまった町田に対し、後半早々浜松が結果を出す。町田のボールを奪った山桐正護から前鈍内マティアスエルナン、須藤慎一、再び前鈍内、そしてセグンドでフリーとなった山桐へと繋ぎ、逆転に成功すると、その僅か50秒後、今度は中村の早いリスタートから野嶋に追加点を奪われてしまう。【浜松3−2町田】 <22分39秒:山桐正護> 【浜松4−2町田】 <23分29秒:野嶋倫>
ファールを受けたのは町田の方だと思い、各選手の足が止まってしまった直後の中村が行った鮮やかなリスタートでの得点シーンは、3連敗中の町田にとって間違いなく嫌な失点の仕方となった。しかし、ここから町田が意地をみせる。
31分00秒、浜松陣内でボールを奪った中村充が迷いなく放った右足シュートが浜松ネットに突き刺さると、今度は森岡薫が続く。3点目から27秒後、巧みな反転からの強烈なシュートで浜松ネットの形を変えた。【浜松4−3町田】 <31分00秒:中村充>【浜松4−4町田】 <31分27秒:森岡薫>
町田の勢いは止まらない。34分には、篠崎が浜松ゴレイロ石黒が弾いたボールに詰め、テクニカルな左足シュートで逆転。更に37分には中井がパワープレー返しを成功させ、リードを2点に伸ばした。【浜松4−5町田】 <33分35秒:篠崎隆樹>【浜松4−6町田】 <36分44秒:中井健介>
残り時間が2分を切る。浜松に再度勢いをつけさせない為にも、絶対にゴールを許したくない町田だったが、ホームの熱い声援は浜松選手たちに力を与え続けた。
39分、パワープレーでの素晴らしいパス回しから生まれた山元優典のゴールに観衆が両手を突き上げながら次々と立ち上がった。残り時間はまだ1分以上ある。同点劇を演出するには十分な時間だ。【浜松5−6町田】 <38分36秒:山元優典>
失点直後、岡山監督はタイムアウトを申請。戦術と酸素を補充した選手たちがピッチへと戻っていく。
・・・・・
第2節バルドラール浦安戦。目の前にあった「勝ち点3」を「勝ち点1」という結果へと変える得点が生まれた瞬間は「残り時間1秒」だった。
もちろん選手たちはその瞬間のことを忘れてはいない。
辛い経験は宝になる。アウェイ浜松アリーナ、試合開始後40分を告げるブザーが鳴り響いた時、拳を強く握りしめたのは町田選手たちだった。
後半スコア【浜松3−4町田】
合計スコア【浜松5−6町田】
・・・・・ 第8節を終えた時点での順位等
順位:12チーム中6位
勝ち点:13 − 暫定首位湘南ベルマーレ(以下湘南):21
勝敗数:4勝1分3敗 − 湘南:7勝0分1敗
総得点数:28点 − 湘南:36点
総失点数:26点 − 湘南:16点
得失点差:+2 − 湘南:+20
*本マッチレポートの写真は浜松戦のものではありません。
写真:橋本健(はしもとたけし)
記事:早川治(はやかわおさむ)
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